臨床検査技師は、医師の指示のもと、病院や検診センターなど医療機関において、生体から採取された材料（血液、尿、組織、細胞など）を対象とする検体検査や超音波診断装置、心電計などを用いて、生理学的検査を行い、病気の診断・治療方針の決定、病気の早期発見・予防のための科学的な分析データを提供します。検査を通じて病気の原因や状態を解明するには、高度な知識・検査技術と分析力が必要です。また、製薬会社では試薬開発研究業務、行政機関では公衆衛生業務に携わるなど、多くの場面で活躍しています。
患者さんの血液や尿、細胞などを分析・診断する検体検査や、医療機器で心臓や肺、脳、各種臓器の機能や状態を調べる生理学的検査など検査分野は多岐にわたります。細胞検査士や超音波検査士といった各検査領域の認定資格を取得することで、スキルアップを図り、専門性を高めていけます。
患者さんからの適切な検体採取からPCR検査まで、臨床検査技師は、他の医療スタッフ同様にコロナ禍の社会を支え続けています。PCR検査に代表される遺伝子・染色体検査は、がん遺伝子をはじめ、様々な疾患の診断にも用いられます。医療の進歩・発展とともに検査技術・方法も高度化しており、それを支えているのが臨床検査技師なのです。
現在の医療は、複数の医療専門職が連携して、患者の治療やケアにあたる「チーム医療」が基本です。臨床検査技師として感染制御チーム、栄養サポートチーム、糖尿病療養指導チームなどに参画し、医師の判断の支援となるような助言を行うなど、診療に積極的に携わることが求められています。
主に病院や検査センターなどの医療施設で活躍する臨床検査技師。検査材料を対象とした検体検査、患者さんを対象とした生理学的検査に大別されるように、幅広く多様な分野で業務を担い活躍できるため、個性に合わせてキャリアを築き、自身の特長を活かした働き方が可能です。
臨床検査技師が活躍できるフィールドは、病院や検査センターなどの医療施設だけではありません。医療機器製造会社や製薬会社、行政機関など、産業界や地域医療に携わること、大学院へ進学し、研究者として医療の進化を支えるなど、様々な分野で臨床検査技師は活躍しています。
幅広い教養を身につけるとともに、医療人として必要な基礎知識を学ぶ
人体の構造及び機能
臨床検査の基礎とその疾病との関連
生理学的検査
キャリアデザイン
臨床検査技師として必要な基本的知識と技術を学ぶ
保健医療福祉と臨床検査
医療工学及び医療情報
病態学
血液学的検査
輸血・移植検査学
病理学的検査
尿・糞便等一般検査
生化学的検査・免疫学的検査
遺伝子関連・染色体検査
微生物学的検査
臨床検査の現場を実際に経験する上で必要な専門知識と技術を系統的に学ぶ
臨床検査総合管理
医療安全管理
実践的な能力を身につける臨地実習
医療の発展に寄与できる問題解決能力を育て、研究の重要性を通して臨床検査分野の役割を学ぶ
臨床検査医学
３コース共通科目
正確な細胞診断に必要な適切な固定方法や、代表的なパパニコロウ染色やギムザ染色、特殊染色、免疫細胞化学染色などの診断に必要な各種染色法の方法・理論を学び、理解します。また、細胞診断を正確･適切に行うための、様々な臓器の正常細胞や、感染症、前がん細胞、がん細胞といった病変の細胞形態学的特徴の知識を修得し、基本的な細胞所見について学修します。
健康を維持するために重要な免疫反応のメカニズムを理解し、免疫反応が関係する感染症、アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全などの各種疾患について学びます。疾患の診断・治療のために必要とされる免疫学的検査法を、沈降反応や凝集反応、溶解反応、標識反応、免疫電気泳動法、イムノブロット法とともに修得。さらに、免疫学的検査法に使用する検体の扱い方や保存法、検査データの精度管理法、得られた検査結果と臨床的意義などについても理解します。
生理検査は、循環器生理学、呼吸生理学、脳神経生理学など多岐にわたります。特に、心電図検査や呼吸機能検査は、診断や術前検査に必要不可欠な検査です。循環生理と心臓の電気生理の基礎を学んだうえで、心電図の原理を理解し、記録方法を修得します。検査の原理、方法、疾病の判読根拠、検査項目を多面的に判断・評価できる力を育成するための実践教育が特色です。
保健医療学部
保健医療学部パンフレット（デジタル版）
