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お知らせ

【研究助成】工学部建築学科池見洋明教授のジオパークに関する研究が、豊後大野および姫島の令和5年度ジオパーク調査研究活動助成事業に採択されました。

 

大分県には、貴重な地形・地質が数多く存在しています。
ジオパークとして認定されているのは、①“おおいた姫島ジオパーク”と②“おおいた豊後大野ジオパーク”があります。
「ジオパーク」は、火山の噴火やプレートの移動などの地球活動によってつくられた地形や地質、そして、地域文化までを総じて「地質遺産」として取り扱うエリアです。
「地質遺産」として保存するためには、現状の地形の情報を記録しておくことが必要となります。
調査研究活動は、保存するために必要な情報として、3次元点群を用いてデータベースをつくることにあります。さらに、地質遺産としての重要性を知り、後世に継承する為の教育が重要となりますが、実際に現地を訪れることがなくても、データをメタバースに展開することで教材としても活用できるものと考えています。

①“おおいた姫島ジオパーク”は、「火山が生み出した神秘の島」をテーマとして、2013年に日本ジオパークに認定されました。
姫島は、約30万年前以降の火山活動によって生まれた4つの小島が砂州でつながってひとつになった島で、瀬戸内海で唯一、20万年前から活動した火山の痕跡がみられるこのエリアは、瀬戸内海ができる前の生態系を知る上でも重要です。
島内外を問わず、多くの人がアクセスでき、教材としても活用が期待できる媒体として、姫島の地質遺産の三次元点群データベースを作成する研究活動は重要です。

②豊後大野の大地は、阿蘇火山の巨大噴火によって火砕流に埋め尽くされました。
やがて、冷え固まる時に体積が収縮すると、縦方向に四角形や五角形の柱状の節理(岩石が発達してできる縞模様の筋)ができます。この柱状節理は、縦に細長く割れ、比較的柔らかく加工しやすい為、人々の手によって、石橋や石垣、磨崖仏も作られました。9万年前の阿蘇火砕流の溶結凝灰岩に掘られた磨崖仏は、非常に精緻なつくりとなっており、“おおいた豊後大野ジオパーク”の調査研究活動は、豊後大野ジオパークに分布する磨崖仏の三次元点群データベース化を進めるものです。

今後は、長期的なジオサイト保全活動として、地域の観光資源として生かすことで、保存するための資金をつくっていくための地域経済活動はますます重要になるでしょう。
地域課題解決の観点から、池見教授(地質学者)の研究活動の成果が、まちづくり、観光、教育などの幅広い分野に活用できることから、当該研究を推進していきます。