NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 工学実験基礎(Introduction to Experiments)
担当教員名 安田 幸夫、大江 克利、永井 弘人
配当学年 1 開講期 後期
必修・選択区分 必修 単位数 1
履修上の注意または履修条件  この科目は2年生から始まる実験の基礎的知識や概念を得ることが目的です。単位の基本である、長さ(m)、質量(m)、時間(s)とメートル法を理解して下さい。解りにくい課題や物理現象に出合ったとき、自分で工夫、解決する習慣を身に付けることが特に望まれます。
受講心得  三角関数などの関数機能のある計算機(電卓)、モノサシ(スケール)、筆記具、などを常に準備・保有することが必要です。
教科書 なし(資料配布)
参考文献及び指定図書 特にありません。
関連科目 航空工学実験1・2
オフィスアワー
授業の目的  航空工学実験1および2を行う前に実験の基礎的知識を得ておくことを目的とします。単位についての基本事項、グラフ練習、長さや質量計測などの応用的課題により、データ処理、物理定数の使い方や単位の扱いなどを理解します。次に、計測機器の原理や測定値の誤差の処理法などの基礎事項を把握します。これらの実験・演習を通じて、工学実験に入るためのセンスやスキルを養うことが主要な目的となります。
授業の概要 SI単位、メートル法、フィート・ポンド法について関連事項を解説します。グラフ練習では、関数電卓やエクセルを用いて、種々の簡易計算やグラフ作成法を理解します。応用的課題として、長さ、質量、時間を各種計測器により測定し、データのまとめ方、グラフ表示、誤差の処理などの基礎事項を実践し理解を深めて下さい。その他にも高度な計測機器(ストロボ、赤外線温度計、レーザ速度計など)を紹介します。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 単位と計測
 本講義の目的と概要、および航空工学科における関連実験科目の概要を説明します。SI単位とメートル法、フィート・ポンド法について解説します。次に、基本単位(長さm、質量k、時間s)と組み合せ単位、および無次元量(角度、抵抗、濃度など)について解説します。

○第2回 計測法と計測器
 計量法で定められている18種の規制対象計量器と検定方法について説明します。また、計測と関連のある物理常数、記号法におけるギリシャ文字について解説します。

○第3回・第4回 実験練習①・②
①多数の資料(30個)の寸法をノギスで測定し、測定値の統計処理(平均値、標準偏差)を行い、分布の状態をグラフ化(ヒストグラム)します。
②テスターにより各種抵抗(100-2000Ω)を測定し、誤差を確認します。次に電圧、電流の計測を行い、オームの法則が成立することを確認します。

○第5回 グラフ練習1
関数電卓による簡易計算、方眼紙によるグラフ作成(2次式、近似曲線など)を行います。

○第6回 グラフ練習2
 種々の関数(指数関数、対数関数など)やグラフ形式(方眼紙、片対数紙、両対数紙など)の説明と作成を行います。

○第7回 物理実験ガイダンス
 第8回以降で行う物理実験の各実験内容の説明およびレポートの書き方の説明を行います。

第8回~第14回 物理実験①~⑦
 ①から⑦の7種類の実験を班毎に毎週交代で行います。
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①Bordaの振り子
 Bordaの振り子は支点からつり線で金属球をつり下げた振り子の一種であり、重力加速度を測定する装置です。まず最初に、Bordaの振り子の原理を読み、重力加速度が振り子の長さと振動周期により表現されることを学習します。次に、実験によりBordaの振り子を実際に振動させ、振り子の長さと振動周期を計測して理論式に代入することにより重力加速度を求めます。

②ザールの装置によるヤング率
 ザールの装置は、つり下げた針金に荷重をかけ、針金の伸びを測定することにより針金の剛性(ヤング率)を求める装置です。荷重と伸びは比例の関係にあり、その比例定数がヤング率であることを基本にしてヤング率の表示式が得られるので、まず、この原理を学習します。次に、実験により針金に種種の荷重を加えて針金の伸びを測定し、両者が比例することを確認した後、理論式を用いてヤング率を算出します。

③Jollyのぜんまい秤による表面張力
 Jollyのぜんまい秤を用いて分銅とバネの伸びとの関係を調べます。つぎにシャーレに測定液体(水)を入れ、ぜんまい秤につるされている測定環が液体から離れる瞬間のバネの伸びを測定することにより測定液体(水)の表面張力を測定します。

④液体の粘性係数
 レッドウッド粘度計を用いて液体(グリセリン)の慣用粘度(レッドウッド秒)を測定する。液体の粘度は温度によって変化するが、試料の温度を変化させて実験を行い、温度によって粘度が変化する様子を理解します。

⑤気体の共鳴
 一方の端がふさがった長い円管の中の空気柱が外部から加えられる音に反応して共鳴する現象を調べます。まず、このような状況における共鳴の原理を学習します。次に、実験により、管の開口の近くでおんさ(音叉)による音を加え、共鳴が実際に起こることを確認します。さらに、この現象を利用して、おんさの振動数や音速を求めます。

⑥液体の比熱
 冷却法によって液体(グリセリン)の比熱を求めます。すなわち加熱そうで加熱した液体が冷却そうのなかで冷却してゆく結果(冷却曲線)を水とグリセリンの二種類の液体について求め、その結果から測定試料液(グリセリン)の比熱を求めます。

⑦電流による熱の仕事当量
 高精度ジュール熱実験装置を用いて、電流による熱を発生させます。その電流熱による水の温度上昇量(電流供給時間と水の温度上昇との関係)を測定することによって熱の仕事当量が求まります。
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○第15回 レポートの添削および再実験
 物理実験のレポートの添削および再実験を行います。 
第1回~第2回
配布資料

第3回~第6回
配布資料と演習 30分

第8回~第13回
配布資料
実験 60分

第14回~第15回
配布資料
  
授業の運営方法  通常、各講義時間の初めに計測原理や計算法の説明を行い、あとは各自の実習が中心となります。グラフ演習では、関数電卓とパソコンが必要となりますので、PC[教室で行います。計測実験時は一人または二人で実施します。
備考
学生が達成すべき到達目標 ①SI単位と基本量(mks)の理解と計算
②関数電卓の使用法やグラフ作成法
③データの計測と処理法、実験と理論の比較、誤差の処理
④高度な計測器に関する知識習得
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験
小テスト
レポート 60
成果発表
作品
その他 40 実験を行いますので、機器の使用法を守って、怪我(事故)の無いよう注意して下さい。
合計 100