NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 工業熱力学(Engineering Thermodymanics)
担当教員名 松尾 篤二
配当学年 カリキュラムにより異なります。 開講期 後期
必修・選択区分 機械工学コース コース選択必修 単位数 3
履修上の注意または履修条件
受講心得  課題演習を行うので、毎回関数電卓を持参してください。
教科書 「わかる熱力学」<日新出版>田中・田川著
参考文献及び指定図書  北山直方著:「図解演習熱力学」<オーム社>
 斎藤・小泉著:「工業熱力学」<共立出版>
関連科目
オフィスアワー
授業の目的  エネルギー問題、環境問題への考察能力、各種熱システム・熱サイクル機器の設計・評価能力を備えた技術者となって頂くことを目的とし、そのために不可欠な熱力学の基礎を習得することを目的とします。
 現象ならびに関係式の理解とともに演算能力、諸量の単位の把握能力を身につけてもらいます。
授業の概要
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 熱力学に関する物理量と単位(その1:基本量)
 ・長さ、質量、時間の基本量の単位とこれらの組み合わせによる「力」、「圧力」、「エネルギー」、「動力」について、単位と接頭語の計算を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 単位 基本量(長さ,質量,時間,温度) SI単位 接頭語 

○第2回 熱力学に関する物理量と単位(その2:温度)
 ・「温度」および各種温度目盛の定義について理解してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 2定点温度目盛 氷点 蒸気点 摂氏 ケルビン温度 華氏 ランキン温度

○第3回 熱力学に関する物理量と単位(その3:熱量および比熱) 
 ・熱量および比熱の物理量および単位について理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  [J] [kcal] 熱の移動 移動熱量の式 比熱 真比熱 平均比熱

○第4回 熱力学に関する物理量と単位(その4:その他の物理量)
 ・質量と重力、圧力、比容積、密度などの物理量および単位について理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  質量と重力 標準気圧 絶対圧力 ゲージ圧力 比容積 密度 比重

○第5回 熱力学の第一法則(その1:熱の仕事当量、内部エネルギーとエンタルピ)
 ・熱の仕事当量、熱力学の第一法則、エネルギー保存の原理について、これらの概念と相互の関係を、数式を含め理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: ジュールの実験 熱と仕事の等価性 第一種永久機関

○第6回 熱力学の第一法則(その2:内部エネルギーとエンタルピ)
 ・内部エネルギーとエンタルピについて、これらの概念と相互の関係を、数式を含め理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 状態量 基本的状態量(圧力,温度,比容積) 静止系(閉じた系) 流れ系(開いた系) 閉じた系

○第7回 熱力学の第一法則(その3:エネルギー式)
 ・静止系のエネルギー式、流れ系のエネルギー式について、閉じた系、開いた系の各々に対して、微分方程式の形態で表現することを理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 流体の保有エネルギ エンタルピ 開いた系の外部仕事(工業仕事)

○第8回 熱力学の第一法則(その4:仕事)
 ・可逆・不可逆の概念、可逆変化の膨張仕事の式、閉じた系・開いた系の仕事について微分方程式の形で表現し、圧力-容積線図(p-v線図)を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 気体の膨張仕事 可逆変化 不可逆変化 可逆変化の膨張仕事 閉じた系の仕事 絶対仕事 PV線図 開いた系の仕事 

○第9回 理想気体(その1:状態式、内部エネルギー、エンタルピ)
 ・理想気体とは何か、理想気体の状態方程式、ガス定数、理想気体の内部エネルギー、エンタルピについて、およびジュールの法則を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 理想気体 理想気体の状態式 実在気体での近似 モルの定義 標準状態 一般ガス定数

○第10回 
 ・第1回~第9回の授業内容についてテストを行います。またテストの模範解答を行い、解説します。

○第11回 理想気体(その2:理想気体の比熱)
 ・比熱についての関係式と比熱比について理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: ジュールの法則 内部エネルギ エンタルピ 定容比熱 定圧比熱 定容比熱と定圧比熱の関係 比熱比

○第12回 理想気体(その3:混合気体の物性)
 ・複数種の理想気体の混合状態でのガス定数、比熱など物性値の算出方法を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  混合気体 分圧 全圧 ダルトンの法則 混合気体の各種物性値

○第13回 理想気体の状態変化(その1:状態変化の計算)
 ・可逆の状態変化について、その種類および、各種基礎式を整理して理解し、4つの基礎式を用いてすべての状態変化が求められることを理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 半理想気体 実在気体 可逆変化の状態変化

○第14回 理想気体の状態変化(その2:等圧変化,等積変化、)
 ・等圧変化および等積変化について、状態量の関係式、仕事および受熱量についての関係式の導出を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  状態変化の計算 状態変化の4つの基礎式 等圧変化 等積変化

○第15回 理想気体の状態変化(その3:等温変化,断熱変化)
 ・等温変化および断熱変化について、状態量の関係式、仕事および受熱量についての関係式の導出を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 等温変化 断熱変化 

○第16回 理想気体の状態変化(その4:ポリトロープ変化)
 ・ポリトロープ変化について、状態量の関係式、仕事および受熱量についての関係式の導出を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  ポリトロープ変化 ポリトロープ指数 

○第17回 ガスサイクル(その1:サイクル)
 ・熱機関の歴史,主なサイクルの種類と相互の関係などについて理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 内燃 外燃 蒸気機関 内燃機関 蒸気タービン ガスタービン

○第18回 ガスサイクル(その2:サイクル)
 ・サイクルの定義、サイクルを表わすp-v線図、T-s線図、加えた熱量、捨てた熱量、外部への仕事、熱効率などについて理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  サイクル p-v線図 T-s線図 

○第19回 ガスサイクル(その3:カルノーサイクル、オットーサイクル)
 ・カルノーおよびオットーサイクルについて、p-v線図、T-s線図を理解した上で、熱量、外部への仕事、熱効率などを表わす式の導出を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  カルノーサイクル オットーサイクル 圧縮比 爆発度 

○第20回 
 ・第11回~第19回の授業内容についてテストを行います。またテストの模範解答を行い、解説します。

○第21回 ガスサイクル(その3:ディーゼルサイクル、サバテサイクル)
 ・ディーゼルおよびサバテサイクルについて、p-v線図、T-s線図を理解した上で、熱量、外部への仕事、熱効率などを表わす式の導出を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  ディーゼルサイクル サバテサイクル 圧縮比 爆発度 締切比 

○第22回 ガスサイクル(その4:ブレートンサイクル、エリクソンサイクル、スターリングサイクル)
 ・ブレートン、エリクソンおよびスターリングサイクルについて、p-v、T-s線図を理解し、熱量、外部仕事、熱効率などを表わす式の導出を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  ブレートンサイクル エリクソンサイクルとスターリングサイクル 

○第23回 蒸気(水の状態変化、水・蒸気の状態線図)
 ・ガスと蒸気の違い、等圧下での状態変化、水のp-v線図・p-T線図、湿り蒸気および蒸気の乾き度、蒸気表と蒸気線図などについて解説し、理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  蒸気 ガス 圧縮液 サブクール度 飽和液 湿り蒸気 クオリティ(乾き度) 乾き飽和蒸気 過熱蒸気 過熱度 水の状態変化 飽和水線 飽和蒸気線 臨界点 水・蒸気の状態線図 三重点 蒸発曲線 融解曲線 昇華曲線 湿り蒸気 乾き度 湿り度 蒸気表 飽和表 過熱蒸気表 蒸気線図 h-s線図(モリエ線図) T-s線図 p-h線図

○第24回 熱力学の第二法則(その1:熱力学の第二法則、カルノーサイクル)
 ・「第二法則とは何か」、を解説した上で、カルノーサイクルの持つ特徴を理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 熱移動の方向性 低温熱源 高温熱源 第二種の永久機関 熱機関サイクル 作業機関サイクル 冷凍機成績係数 ヒートポンプ成績係数 カルノーサイクル 可逆カルノーサイクル

○第25回 熱力学の第二法則(その2:エントロピ、エントロピ変化)
 ・エントロピの定義と可逆・不可逆変化におけるエントロピの変化量、理想気体におけるエントロピ変化量の計算式の導出について解説し、理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword: 可逆サイクル クラウジウス積分 不可逆サイクル クラウジウス不等式  

○第26回 蒸気サイクル(その1:ランキンサイクル、飽和蒸気サイクル)
 ・ランキンサイクル、飽和蒸気サイクルについて、各点の状態量、入出熱量、熱効率等の算出方法を例題をもとに解説し、特徴・特性について理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  ランキンサイクル 飽和蒸気ランキンサイクル 

○第27回 蒸気サイクル(その2:過熱ランキンサイル、再生サイクル)
 ・過熱ランキンサイクル、再生サイクルについて、例題をもとに解説し、各サイクルの特徴・特性について理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  過熱ランキンサイクル 再生サイクル

○第28回 蒸気サイクル(その3:再熱サイクル、再熱再生サイクル、複合サイクル)
 ・再熱サイクル、再熱再生サイクル、複合サイクルについて解説し、各サイクルの特徴・特性について理解習得してもらいます。授業内容について課題を出します。
Keyword:  再生サイクル 抽気 開放形 密閉形 抽気量 熱効率  再熱サイクル 再熱器 多段再熱 

○第29回 
 ・第21回~第28回の授業内容についてテストを行います。またテストの模範解答を行い、解説します。
  
○第30回 自己点検授業
 ・授業で学習した内容の総括を行い、学生自身に学習達成の程度を自己点検させます。学習目標が達成されているかを、個々の学生の成績評価を示して説明します。
毎回の講義のノートの整理と復習(特に数式の理解)を欠かさず行って下さい。試験はノート,プリントのみ持込可とするので,復習時に必要と思われる事項はノートに追加して記入・整理しておいて下さい。
授業の運営方法 「講義科目」です。
備考
学生が達成すべき到達目標 ①各種熱システム・熱サイクル機器の設計・評価能力を備えた技術者として必要な,熱力学現象と関係式を理解している。
②エネルギー問題,環境問題への考察能力が身についている。
③演算能力と諸量の単位の把握能力が身についている。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 42 14点×3回=42点満点
小テスト 52 2点×26回=52点満点
レポート
成果発表
作品
その他 6 自己点検授業(6点×1回=6点満点)
合計 100