NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 パワーエレクトロニクス(Power Electronics)
担当教員名 島元 世秀
配当学年 3 開講期 後期
必修・選択区分 機械工学コース:選択
自動車・メカトロニクスコース:コース選択必修
情報電子・電気工学:コース選択必修
単位数 2
履修上の注意または履修条件  初回の授業から教科書を持参することが必要です。教科書なしで授業の内容を理解することは困難です。講義用ノートと復習用ノートの2冊を準備して下さい。
受講心得  半導体工学を履修していることが望まれます。パワーエレクトロニクスの応用という観点からは電気機器工学を履修することを前提にしています。パワーエレクトロニクスは電気・電子工学の基礎を応用した技術です。まず、パワー半導体デバイスの発展に興味をもち、スイッチング制御の概念を理解し、専門用語の意味を理解することおよび図・表を読み取る力を養うことに心がけ、専門書を読むための基礎作りをすることを期待しています。
講義には毎回出席し、基礎的な演習問題に取り組み、特に復習に重点をおいて実力をつけてください。パワーエレクトロニクスは極めて応用的であるため、受講者が電気・電子工学の基礎をしっかり修得していて、かつ、パワーエレクトロニクスの基本的な考え方に興味を示さないかぎり理解することは難しいでしょう。
教科書に記載の図・表は極めて重要です。図・表を板書することは時間的に困難です。また、たとえ板書したとしても受講者が授業時間内にノートすることは困難です。したがって、初回の授業から教科書を持参し、講義を聴いて重要なことは教科書に直接書き込んでください。
電卓は毎回持参し、例題に取り組む意欲を持ち続けてください。学生各自は講義用ノートと復習用ノートの2冊を準備し、自分自身のノートに仕上げていくことを奨めます。教科書に掲載されている演習問題に時間の許す限り取り組めば理解し易くなるでしょう。
教科書 パワーエレクトロニクス 江間敏,高橋勲 (コロナ社)
参考文献及び指定図書 半導体デバイス 改訂2版 三菱電機株式会社 技術研修所編(オーム社)
気学会大学講座 半導体デバイス 改訂版 (電気学会)
パワーエレクトロニクス入門 大野榮一 編著(オーム社)、
基礎パワーエレクトロニクス 宮入庄太 著(丸善)、
パワーエレクトロニクス 楠本一幸 著(オーム社)、
パワーエレクトロニクス回路 電気学会・半導体電力変換システム調査専門委員会編 (オーム社)
パワーデバイス・パワーICハンドブック 電気学会・高性能高機能パワーデバイス・パワーIC調査専門委員会編(コロナ社)
関連科目 電気回路論及演習1、電気回路論及演習2、過渡現象論、電気機器工学、電気機器実験、電気磁気学及演習1、電気磁気学及演習2、半導体工学1
オフィスアワー
授業の目的  パワーエレクトロニクスはパワー半導体デバイスを用いて電力の変換・制御を行う技術分野です。サイリスタ、GTO、バイポーラパワートランジスタ、パワーMOSFETおよびIGBTなどのデバイスが開発され、変換・制御技術の進歩と相俟ってその応用分野は各種の産業分野から家電機器に至るまで広範囲にわたっています。
パワーエレクトロニクスは半導体デバイスのスイッチング制御が基本です。したがって、パワー半導体デバイスの基本的動作特性を修得した後、スイッチング回路による交流/直流変換に始まる整流回路理論を学びます。
サイリスタの位相制御による順変換、逆変換の概念、転流動作、インダクタンスの作用、還流ダイオードの作用、GTOやパワートランジスタなどの自己消弧形高速デバイスを用いるPWMインバータ、パワー半導体デバイスの安全動作、スナバ回路など基礎的な事項を理解することを目指します。応用として電動機制御の基本を修得します。
授業の概要 パワーエレクトロニクスはパワー半導体デバイスを用いて電力の変換・制御を行う技術や材料の機構について学びます。 
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
第1回 パワーエレクトロニクス序論、パワー半導体デバイスの種類
(電力の変換・制御の意義と歴史、理想的なスイッチ動作、パワーエレクトロニクスの特徴、パワーエレクトロニクス機器の長所と短所、制御システムとしてのパワーエレクトロニクス、パワー半導体デバイスの種類と歴史的発展)
第2回 ダイオード、バイポーラトランジスタ、安全動作領域、スナバ回路
(PN接合とダイオードの特性、バイポーラトランジスタの構造と特性、安全動作領域、ターンオンスナバ回路、ターンオフスナバ回路)
第3回 サイリスタ、GTO
(サイリスタの構造と特性、GTOの構造と動作)
第4回 パワーMOSFET、IGBT、電力容量と駆動回路
(パワーMOSFETの構造と特徴、IGBTの構造と特徴、電力変換装置の変換容量と動作周波数、パワー半導体デバイスの駆動回路)
第5回 整流回路(1)
(純抵抗負荷時の単相半波整流回路、誘導性負荷時の単相半波整流回路、純抵抗負荷時の単相全波整流回路、誘導性負荷時の単相全波整流回路)
第6回 整流回路(2)
(転流、電流の重なりと電圧降下、位相制御角と無負荷直流電圧、誘導性負荷時の三相全波整流回路、直流側にコンデンサをもつ整流回路)
第7回 整流回路の交流側特性
(整流装置の相数と高調波、交流側電流のひずみと力率、有効電力、無効電力、総合力率、ひずみ率、波形のひずみによる障害)
第8回 他励式インバータ、交流電力制御、サイクロコンバータ
(他励式インバータの構成と等価回路、余裕角、制御進み角、他励式インバータにおける無効電力、交流スイッチ、純抵抗負荷時の交流位相回路、誘導性負荷時の交流位相回路、純インダクタンス負荷時の交流位相回路、位相制御リアクトル、無効電力補償装置、サイクロコンバータの基本構成と動作波形および出力周波数の限度)
第9回 直流チョッパ
(降圧チョッパの回路構成、降圧チョッパの動作、還流ダイオードの作用、降圧チョッパの制御法、昇圧チョッパの回路構成、昇圧チョッパの動作、四象限チョッパの回路構成、直流電動機の四象限運転)
第10回 自励式インバータ
(単相電圧形トランジスタインバータ回路とその動作波形、帰還ダイオードの作用、三相電圧形トランジスタインバータ回路とその動作波形、三相3レベルインバータ回路とその動作波形、電圧形インバータの直流電源、三相電流形インバータ)
第11回 PWMインバータ
(単相電圧形PWMインバータ、ハーフブリッジ電圧形PWMインバータの基本回路とその動作波形、信号波、搬送波、搬送波周波数と出力電流波形、単相フルブリッジPWMインバータ、バイポーラスイッチング式とユニポーラスイッチング式PWMの出力電圧スペクトラム、三相電圧形PWMインバータ)
第12回 電動機制御の理論
(電動機の可変速駆動の発展、直流電動機の速度制御、誘導電動機の速度制御、同期電動機の速度制御)
第13回 電動機制御の応用(1)
(直流電動機の特徴と制御法、かご形誘導電動機の制御特性、V/f制御、すべり周波数制御)
第14回 電動機制御の応用(2)
(ベクトル制御、巻線形誘導電動機の2次励磁制御、可変速揚水システム、同期電動機の制御と応用例)
第15回 確認テスト及び解説
(電卓・直線定規、三角定規、分度器を必ず持参)
予習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
授業の運営方法  パワーエレクトロニクスは極めて応用的でありますので教科書に記載されている図・表が意味する内容の読み取り方および基本的な式に重点を置き講義を進めて行きます。教科書を補うためのプリントを適宜、配布します。講義の進み具合に応じて例題に取り組み、学生の理解に役立てるようにします。
備考 電卓,筆記用具(定規,三角定規,コンパス等),講義用ノート,復習用ノートが必要です。
学生が達成すべき到達目標 1.ダイオード,整流器の仕組みについて理解できる。
2.トランジスタ,MOS-FET,IGBT等について理解できる。
3.ひずみ波についてフーリエ級数を用いて表すことが出来る。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 70 電卓持ち込み可能です。 
小テスト 0 適宜実施します。
レポート 0
成果発表 0 特に無し。
作品 0 特に無し。
その他 30 出席及び講義用と復習用ノートを考慮します。
合計 100