NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 経済統計A
担当教員名 本村 裕之
配当学年 3 開講期 前期
必修・選択区分 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件 出席状況を直接の評価基準とするわけではありませんが、遅刻と欠席による授業内容の把握の遅れは、そのまま、課題提出の困難さを招きますので注意してください。
受講心得
教科書 中村隆英・新家健精・美添泰人・豊田敬共著、経済統計入門 第2版、東京大学出版会
参考文献及び指定図書 東京大学教養学部統計学教室編、基礎統計学II 人文社会学の統計学、東京大学出版会
関連科目 統計学、統計理論、経済数学、マクロ経済学、国際経済学
オフィスアワー
授業の目的 資本主義社会の基盤を形成するものの、最も重要な要素の一つとして経済を挙げることができます。その経済活動をストック、フロー、または時系列的な統計量として表したものが経済統計量です。経済統計は、統計調査論や利用論をその重点として展開する学問であり、具体的には、新SNAや産業連関表分析といった現実の経済データを用いて、その統計調査の方法、経済分析に必要なデータのまとめ方、及び様々な社会分野における統計利用及び統計分析の方法論について学習していきます。
授業の概要 実際の経済統計量に関するデータ分析の方法を、その目的論から考えて行く。講義は座学形式で行われるが、基本的にはコンピュータの併用により、数学的な知識に乏しい学生に対しても負担になることのないよう、エクセルやMathematicaといったアプリケーションを利用し、経済における統計的処理の必要性と、その方法を学んでいく。後期は、回帰モデルを中心とした、より数理モデルの理解にウェイトを置いた内容を取り扱う。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
第1回 "経済統計概論
経済統計は、統計学を実際の経済に当て嵌め、経済活動から発生する統計量についての評価の方法と、分析の手法を学ぶことを目的としています。その適応例と方法について概観します。"
第2回 "記述統計学と推測統計学
記述統計学は、データの精度を増すために、サンプル集団を量的に質的にいかに母集団に近づけるかをテーマとしています。一方、推測統計学は、モデルの精度を高めいかに当て嵌まりのよいモデルを整えるかをテーマとしています。その両者を理解した上で経済統計量を扱うにはどのような観点が必要かを概観します。"
第3回 "度数分布の分析
統計で集められたデータは、属性情報をもったマイクロデータと、集約された形でのマクロデータに分けることができます。前者、後者ともに有用な面を持ちますが、サンプル集合がどのような構造を持っているかを理解するためには、後者のマイクロデータを用いるのが有効です。度数分布は、データの分布構造をみるための最も単純な方法です。"
第4回 "算術平均と幾何平均
統計を扱う上で最低限必要な知識の中に、平均(期待値)の概念があります。ここでは、総和と積和の考え方を理解したうえで、算術平均と幾何平均について復習します。"
第5回 "順列・組み合わせ
サンプル集団を考えるうえで、データの序列が必要になる場合があります。また後に必要となる、確率を考えるうえでも必要な、順列と組み合わせの概念について復習しておきます。"
第6回 "三面等価の法則
代表的な経済統計量である国民所得について考え、生産・分配・支出の三面いずれからの検討も可能であることを理解します。その上で、国民所得の成り立ちを考えます。"
第7回 "国民所得理論
国民所得の構造を考え、中間投入(投資)と最終需要(消費)の合計としての総産出量が、国民所得勘定の上でどのような役割と意味付けを持っているかを考えます。"
第8回 "産業連関表の構造
連立方程式系で描かれた、産業間の相互依存関係を考え、一方の他方に与える影響を導出します。また、そのために必要な数学的知識を確認します。"
第9回 "行列の概念
産業連関表分析に関し、産業数が十分に大きい場合、連立方程式系を用いその解を求めることは、現実的には難しい。線型代数(行列)の手法を用いることで、その解法を単純化された形で見ることができるようになります。そのための数学的知識の確認を行います。"
第10回 "(I-A)逆行列を用いた産出量の推定
第9回で確認した行列の知識を用いて、それを産業連関表に当て嵌めたときの解法について学びます"
第11回 "連立方程式体系を用いた産出量の推定
産業数が十分に少ない場合、産業連関表は連立方程式系で考えることが、理解を進めるためには有用です。"
第12回 "産業連関表分析I
産業連関表を実際に用いた構造の確認と、その意味について考えます。"
第13回 "産業連関表分析II
第12回に引き続き、産業連関表分析の実際について確認します。"
第14回 "産業連関表分析まとめ
貿易を含んだ形の産業連関表を考えるとともに、量的産業連関表、価値的産業連関表の見方の違いを学びます。"
第15回 "確認
前期を振り返り、補足説明の必要な部分、要点の確認を行う。"
第16回 "期末試験
期末試験を実施し、年間の評価を行います。"
授業の運営方法
備考
学生が達成すべき到達目標 1.統計に対する嫌悪感の払拭
2.講義で学ぶ知識と実際の生活の上で見えてくる新聞・テレビなど各種メディアから得られる情報との整合
3.Excel、Mathematica、SPSS、Rといった各種アプリケーションに対する理解と利用法に対する初歩的能力の取得。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 80 概念に対する理解ができているか。自分の言葉でそれを表現できるか。
統計に対する知識はあるか。アプリケーションを適切に使用できているか。
それらについて、文章題と計算問題で評価する。
小テスト
レポート 20
成果発表
作品
その他
合計 100