NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 労働法ⅡA(Labor Law ⅡA)
担当教員名 鈴木 照夫
配当学年 3 開講期 前期
必修・選択区分 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件  労働法ⅠA、労働法ⅠB、労働法ⅡBもあわせて履修することが望ましいです。
受講心得  ・講義内容をしっかりとノートにとってください。
 ・私語をしないようにしてください。
 ・携帯電話等は電源を切って鞄の中にしまっておいてください。
教科書 未定
参考文献及び指定図書  西村健一郎他著「労働法」(有斐閣)
 六法
 その他、講義の進行に伴って適宜紹介します。
関連科目  憲法A、憲法B、民法ⅠA、民法Ⅱ、労働法ⅠA、労働法ⅠB、労働法ⅡB

オフィスアワー
授業の目的  21世紀に移行した今日、わが国を含む世界の労働法は、深刻な転機を迎えています。90年代に一気に加速したいわゆる規制緩和や経済のグローバル化は、労働法が規整対象とする労働関係にも重大な変化をもたらしました。これに伴い、各国の労働法制大きく変容してきています。これは、わが国も例外ではなく、特に個別的労働関係法および雇用保障法の分野において著しい現象です。本講義は、このように変容しつつある労働法の現在の姿と今後の課題を明らかにすることを目的とします。内容としては、個別的労働関係法および雇用保障法の分野を取り上げます。
授業の概要 個別的労働関係法および雇用保障法の分野を取り上げます。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 オリエンテーション
 講義内容、講義の進め方、受講上の注意、参考文献、到達目標、評価方法等について説明します。
○第2回 労働法とは何か
 まず、労働法を学ぶことにはどのような意味があり、どのように学べばよいのか、について取り上げます。ついで、労働法の形成・展開過程と、現在の法制度の基本的な仕組みを概観します。

○第3回 男女の雇用平等
 今日、女性労働者は雇用者総数の4割を超し、雇用における男女平等を実現する法制度も徐々に整備されてきています。募集・採用から定年・解雇に至るあらゆる「労働のステージ」での男女差別を禁止する法制度の仕組みについて学びます。

○第4回 労働者・使用者と労働契約
 個別的労働関係においては、労働者、使用者および労働契約が基本概念です。これらの概念は、労基法などの労働法の適用範囲を決めるうえで決定的な意味を持ちます。また、労働契約の締結が個別的労働関係の出発点であり、労働契約上の権利義務関係についての理解は、個別的労働関の法的構造を把握するために不可欠です。これらの基本概念の意義および労働計上の権利義務について学びます。

○第5回 労働契約の成立
 労働契約は、使用者による募集の後、労働者がこれに応募し、使用者が採用を決定して通知すれば、成立します。しかし、新卒者については、採用内定というプロセスがあり、就労開始後も、試用期間を経て本採用となります。この労働契約の締結過程に関わる法的問題について学びます。

○第6回 労働条件の決定と変更
 労働条件は、労働契約だけではなく、労働関係法令や就業規則、労働協約などさまざまな規範によって決定されています。労働条件の決定および変更をめぐる法的問題について学びます。

○第7回 賃金
 賃金は、労働者にとって最も重要な労働条件の一つです。そこで、労働法は労働者保護の観点から、賃金についてその支払方法や最低額、賃金債権の確保などについて規制しています。賃金に関する法制度およびそれをめぐる法的問題について学びます。

○第8回 労働契約の展開
 労働者は、長期間勤務していくなかで、勤務成績について評価を受けたり、人事異動を経験したりします。また、労働の提供は、企業の集団的・組織的な秩序にしたがって行われます。これらの労働契約の展開過程において起きるさまざまな紛争をめぐる法的問題について学びます。

○第9回 労働契約の終了
 労働契約の終了原因には、契約期間の満了、使用者による解雇、労働者による退職(辞職)、労使双方の合意による解約(合意解約)、定年、当事者の死亡・消滅等があります。
労働契約の終了は、雇用の喪失をもたらし、労働者の生活や社会全体に影響を及ぼします。労働法にとって重要な課題である、労働契約の終了をめぐる法的問題について学びます。

○第10回 労働時間
 労働時間は、賃金と並んで最も重要な労働条件です。労基法は、労働時間規制に1章を充て、「第4章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」を設けています。禁煙、朗時間の短縮が重要な課題となり、労基法の改正が行われています。労働時間の原則と算定、休憩、休日及び時間外・休日労働と深夜業をめぐる法的問題について学びます。
 

○第11回 弾力的労働時間制度
 近年の労基法の改正では、サービス産業の増加や就労形態の多様化に対応するため、弾力的な労働時間制度も導入・拡大されました。その仕組みと、それらがどのような意味で弾力的なのかを学びます。

○第12回 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
 休暇は、労働者が健康で働き続けるための不可欠な労働条件であると同時に、家族と豊かな時間を共有したり、地域・社会の活動に従事したり、教養を深めたりするためにも必要不可欠です。年次有給休暇、育児・介護休業など「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」の仕組みについて学びます。

○第13回 安全・健康に働く権利
 使用者は、職場に存在するさまざまな危険を適切に管理して、設備・環境・体制を十分に整え、労働者の生命・身体・健康が労働によって損なわれることがないようにする責務を負っています。労働者の安全・健康を確保するする法制度について学びます。

○第14回 雇用保障法
 労働権の保障(憲法27条)をうけて、労働者に就労の機会を保障し、労働者の雇用の安定を図り、失業労働者の速やかな労働関係への復帰を促進することを目的とした法律が多数制定されています。これらを総称して雇用保障法と呼んでいます。その意義と体系を学びます。さらに、職業紹介事業および雇用保険に関する法制度について概説します。

○第15回 就業形態および就業者の多様化
 就業形態が多様化し、いわゆる「非正規労働者」は、全雇用労働者の3割以上を占めています。その中心的な位置を占めている有期雇用労働者、パートタイム労働者および派遣労働者に関する問題を取り上げます。一方で、少子・高齢社会が到来し、労働力不足が深刻になりつつあります。さまざまな就業者の能力を活用するためには、一定のカテゴリーの労働者が、労働能力とは無関係な理由で労働市場から排除されるという状況を解消する必要があります。高齢者、若年者、障害者、外国人について、雇用を促進するための施策について学びます。

○第16回 期末試験
 第1回から第15回までの内容について試験を実施します。
授業の運営方法  講義形式で行います。
備考
学生が達成すべき到達目標 働く上で必要な、労働法の基礎知識を身につける。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 90 15回の授業内容の理解度を測ります。
小テスト 10 各回の授業に真摯に取り組んだかを確認します。
レポート
成果発表
作品
その他
合計 100