NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 公的扶助論(Public Assistance)
担当教員名 野中 義光
配当学年 2 開講期 前期
必修・選択区分 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件 社会福祉士国家試験受験資格を取得しようとする者は必ず受講してください。
受講心得 よく考え、たくさん読み、真摯な態度で授業に臨んでください。
教科書 新・社会福祉士養成講座第16巻『低所得者に対する支援と生活保護制度─公的扶助論─』中央法規出版
参考文献及び指定図書 岩田正美ほか『公的扶助論』ミネルヴァ書房
関連科目 社会福祉原論、社会保障論、高齢者福祉論、障害者福祉論、児童福祉論、就労支援サービスなど。
オフィスアワー
授業の目的 公的扶助とは、生活に困窮するものに対し、その者の資力と需要を調査した上で、公的な一般財源から支出される経済給付(現金または現物給付)のことをいいます。日本では生活保護制度がこれに当たります。公的扶助論では、生活保護の原理・原則、保護の種類・範囲・方法、保護の基準・実施機関など、生活保護制度全般に習熟するとともに、その他の貧困層・低所得者対策も視野に入れながら、憲法25条に規定された「健康で文化的な最低限度の生活」とはどのようなものなのかを考えます。
授業の概要 授業の目的に同じ。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回:オリエンテーション

○第2回:公的扶助の役割と意義
 社会保険と比較しながら公的扶助の特質を学びます。また、ナショナル・ミニマムという概念の理解を目ざします。

○第3回:公的扶助の歴史
 公的扶助や社会保障・社会福祉制度の成立と展開を通して、国家が貧困・低所得者問題にどのように係ってきたのかまなびます。

○第4回:生活保護の原理
 生活保護法には、制度を運用するに当たって、遵守しなければならない4つの原理(①国家責任、②無差別平等、③最低生活保障、④保護の補足性)が定められています。これら4つの原理の意味するところを学びます。

○第5回:生活保護の原則
 生活保護法には、制度を具体的に実施する際に、遵守しなければならない4つの原則(①申請保護、②基準及び程度、③必要即応、④世帯単位)が定められています。これら4つの原則の意味するところを学びます。
 
○第6回:生活保護の種類と内容
 生活保護は、保護を必要とする人に状況に応じて、8種類の扶助(①生活扶助、②住宅扶助、③教育扶助、④介護扶助、⑤医療扶助、⑥出産扶助、⑦生業扶助、⑧葬祭扶助)を適切に組み合わせて実施されます。それぞれの扶助の内容と方法を学びます。あわせて、保護施設についても言及します。

○第7回:被保護者の権利と義務
 生活保護の費用は国民の税金で賄われているために、生活保護を受給している人に対しては、3つの権利(①不利益変更の禁止、②公課禁止、③差押禁止)が認められている一方で、5つ義務(①譲渡禁止、②生活上の義務、③届出の義務、④指示に従う義務、⑤費用返還義務)も課せられています。ここでは、これらの権利と義務について理解を深めるとともに、不服申し立ての制度についても言及します。

○第8回:生活保護基準
 「健康で文化的な最低限度の生活」の水準は、「生活保護基準」として厚生労働大臣が定めることとされています。自分の最低生活保障水準はいくらくらいになるのか、受講生各自に実際に計算してもらいます。

○第9回:生活保護の運営実施体制
 生活保護は、都道府県、市、福祉事務所のある町村が窓口になっています。福祉事務所と、そこで働く社会福祉主事の業務と役割について学びます。

○第10回:生活保護の財源
生活保護に関する費用の構成、国家予算に占める生活保護費の割合など、生活保護の財源について学びます。

○第11回:生活保護の動向
 被保護人員の推移、被保護世帯の推移などを学ぶことを通して、生活保護をめぐる近年の特徴を考えます。

○第12回:生活保護とソーシャルワーク
 生活保護の申請から決定、さらには被保護者の自立に至るまでのプロセスを、ソーシャルワーカーの業務を通じて理解します。
 
○第13回:低所得者対策
 生活福祉資金貸付制度、公営住宅など、生活保護以外の低所得者対策について学びます。

○第14回:ホームレス自立支援
 ホームレス問題はますます深刻さの度合いを高めています。ホームレスの自立を支援するために、どのような方策がとられているかを学びます。
 
○第15回:貧困とは何か

○第16回:期末試験

テキストに即して授業を行います。購入することが望ましいですが、図書館にもありますから予習・復習に役立ててください。
授業の運営方法 講義形式で行います。
15回の授業の中で小テストを実施することがあります。
備考
学生が達成すべき到達目標 ①生活保護制度を理解する。
②現代の貧困問題についての理解を深める。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 70 毎回の授業の要点を理解しているか確認します。
小テスト 30 毎回の授業の要点を理解しているか確認します。 
レポート
成果発表
作品
その他
合計