NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 エンジンシステム(Engine Systems)
担当教員名 土佐 陽三
配当学年 カリキュラムにより異なります。 開講期 前期
必修・選択区分 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件
受講心得 ・熱力学を履修後受講することが望まれます.数回の小テストを行いますので,ノートを常時整備しておく様心掛けてください.期末試験は自筆ノートのみ持ち込み可とします. 
教科書 廣安・宝諸・大山著「改訂 内燃機関」<コロナ社>
参考文献及び指定図書 田中・田川著「わかる熱力学」<日新出版>
関連科目 工業熱力学,応用機械設計製図
オフィスアワー
授業の目的  船舶,発電機,車両から小型汎用機械に至る各種機械の動力源として広く用いられてきているディーゼルおよびガソリンエンジンについて,その構造・作動・性能に関する基礎知識を理解し,併せて,それらの背景にある基礎学問のかかわりや機械システムとしての総合化技術を習得することを目的とします.
授業の概要
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 緒論(その1:内燃機関の歴史,作動原理,分類と特徴)内燃機関の歴史の概要,4サイクル機関・2サイクル機関の作動原理,行程容積・すきま容積・圧縮比などの定義,各種内燃機関について,点火方式・サイクル・使用燃料・燃料供給方式・混合気形成方式・燃焼室形状・給気方式・冷却方式・シリンダ配列などによる分類と特徴について解説します.
○第2回 内燃機関の熱力学(その1)温度・熱量・比熱,完全ガスの状態式,熱力学の第一・第二法則,ガスの状態変化と仕事(定容変化・定圧変化・等温変化・断熱変化・ポリトロープ変化)についての復習・再確認のための解説・例題演習を行います.演習問題を実施します.
○第3回 サイクルと熱効率(その1:理論空気サイクル,オットーサイクル)内燃機関のサイクル計算のベースとなる理論空気サイクルについて,前提となる仮定,p-v線図,T-s線図,火花点火機関の理想サイクルであるオットーサイクルについて,p-v線図,T-s線図,各点の温度・圧力,熱量・仕事・効率,平均有効圧力の算出式の導出を解説し、サイクルの特性について理解習得してもらいます.具体的な例題により、サイクルおよび理論出力の計算方法を解説します.
○第4回 サイクルと熱効率(その2:ディーゼルサイクル,サバテサイクル,ガスタービンサイクル)ディーゼル機関の理想サイクルであるディーゼルサイクル,高速ディーゼル機関の基本サイクルであるサバテサイクル,ガスタービンや排気ターボ過給機の基本サイクルであるブレートンサイクルについて,p-v線図,T-s線図,各点の温度・圧力,熱量・仕事・効率,平均有効圧力の算出式の導出を解説し、サイクルの特性について理解習得してもらいます.
○第5回 サイクルと熱効率(その4:各種サイクルの熱効率比較,実際のサイクル)オットー,ディーゼル,サバテの各サイクルについて,一定条件のもとでのT-s線図や熱効率を比較して,それぞれの特徴を整理して解説します.本章にて解説してきたサイクルは,いずれも理論空気サイクルを前提としてその特性を論じたものでありますが,実際の内燃機関の実サイクルとの乖離点について解説し,サイクル予測評価手法の現状について理解してもらいます.サイクルと熱効率に関する演習問題を実施します.
○第6回 燃料および燃焼(その1:燃料の種類,石油の精製,ガソリン機関用燃料)内燃機関に用いられる燃料の種類と分類,原油からこれらを作り出すための石油精製などについて解説します.ガソリン機関用燃料として必要な性質について解説します.特に,揮発性と機関性能の関係,アンチノック性(オクタン価)およびその評価法について理解習得してもらいます.
○第7回 燃料および燃焼(その2:ディーゼル機関用燃料,燃焼の基礎)ディーゼル機関用燃料として必要な性質について解説します.特に,粘度,揮発性,自己着火性(セタン価)およびその評価法について理解習得してもらいます.燃焼の反応方程式および燃焼用空気量についての基礎を解説し,各種燃料組成に応じた理論空気量,理論空燃比等の算出方法を理解習得してもらいます.燃料の発熱量,化学平衡と熱解離について,概説します.
○第8回 燃料および燃焼(その3:火花点火機関の燃焼)火花点火機関の燃焼について,燃焼過程,混合気の火花点火,火炎伝播と燃焼範囲,燃焼促進と乱流などにつき解説し,これらの概念について理解習得してもらいます.
○第9回 燃料および燃焼(その4:ノック現象,ノックの防止法)火花点火機関の燃焼における最重要課題であるノック現象について,その発生メカニズム,防止への考え方,具体的対策につき解説し,これらの概念について理解習得してもらいます.
○第10回 燃料および燃焼(その5:圧縮点火機関の燃焼,火花点火機関と圧縮点火機関の比較)圧縮点火機関の燃焼について,燃焼過程,噴霧と蒸発,着火および着火遅れ,熱発生率と燃焼特性などにつき解説し,これらの概念について理解習得してもらいます.また,火花点火機関と圧縮点火機関のそれぞれにおけるノッキングに対して,その発生原因の差異,抑制・防止策の差異について,理解習得してもらいます.
○第11回 性能と計測(その1:性能,計測)内燃機関の図示平均有効圧力と図示出力,正味平均有効圧力と正味出力,機械効率,燃料消費率と熱効率について,その定義と意味を理解習得してもらいます.また,内燃機関の仕事,出力およびトルクについて,これらの測定法・測定装置について理解習得してもらいます.内燃機関の出力に及ぼす大気条件の影響について解説し,軸出力に修正の必要性,考え方について理解習得してもらいます.
○第12回 吸気および排気装置(その1:4サイクル機関,2サイクル機関、過給)4サイクル機関の容積効率,充填効率の定義と考え方,これらに及ぼす吸気弁マッハ数の影響,吸気管の脈動および慣性効果などの概念につき解説し,その役割を理解習得してもらいます.4サイクル機関の弁装置について,その構成と機能,弁の開閉時期の果たす役割などについて理解習得してもらいます.
○第13回 2サイクル気管の掃気方式,掃気効率・給気効率・給気比などにつき解説し,その機能と評価指標について理解習得してもらいます.また,掃気モデルとして,完全成層掃気および完全混合掃気について,その考え方と計算方法について理解してもらいます.内燃機関の出力増大方法としての過給の考え方,サイクル,各種過給方式の具体例などにつき解説し,理解習得してもらいます.
○第14回火花点火機関および圧縮点火機関,内燃機関の排ガス対策火花点火機関の具体的構成,混合気制御の方法,点火装置,ガソリン機関の燃焼室などにつき解説し理解習得してもらいます.圧縮点火機関の具体的構成,燃料噴射装置,燃料噴射特性,噴霧特性,燃焼室の形式などにつき解説し理解習得してもらいます.
○第15回 内燃機関の排ガス規制の現状と推移,排ガスの測定法,ガソリン機関の排ガス対策,ディーゼル機関の排ガス対策などにつき解説し,理解習得してもらいます.
○第16回 期末試験期末試験を実施します.(試験時間:80分,持込可:自筆ノート・自筆演習プリント・電卓計算機,持込不可:教科書・参考書・他筆のもの)
授業の運営方法
備考
学生が達成すべき到達目標 エンジンの各部構成要素技術ならびに各種用途分野ごとに配慮がなされているシステムとしての特徴について最新の研究開発動向を交えて解説し,また熱効率の向上や環境対策についての今後の発展の見通しについても理解してもらいます.
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 70 期末テストを評価する。
小テスト 20 演習プリント、宿題の合計点を平均して評価する。
レポート
成果発表
作品
その他 10(出席) 欠席1回以下は10点、2~3回は5点、4回以上は0点
合計 100