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教育・研究
シラバス情報
平成23年度
工学部機械電気工学科
詳細
シラバス情報
注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「
UNIVERSAL PASSPORT
」で詳細をご確認下さい。
科目名
発変電工学
担当教員名
島元 世秀
配当学年
3
開講期
後期
必修・選択区分
選択
単位数
2
履修上の注意または履修条件
講義には毎回出席し、基礎的な演習問題に取り組み、特に復習に重点をおいて実力をつけてください。電卓は毎回持参し例題に取り組んでください。学生各自は講義用ノートと復習用ノートの2冊のノートを準備し自分自身のノートに仕上げていくことを奨めます。教科書に掲載されている演習問題は時間の許す限り取り組むように心掛けてください。
受講心得
発変電工学は機械技術と電気技術を応用した極めて広範囲の技術からなる巨大なシステムに関する工学です。発変電工学を興味深く学ぶには、各人がどのような視点からとらえるかに大きく係ってきます。まず、発変電に関する概念を理解し、専門用語の意味を理解することおよび図・表が意味している内容を読み取る力を養うことに心がけ、専門書を読むための基礎作りをして欲しいと期待しています。発変電工学を学ぶには図・表が極めて重要です。図・表を板書することは時間的にも困難であります。また、たとえ板書したとしても受講者が授業時間内にノートすることは困難です。したがって、初回の授業から必ず教科書を持参し、授業を聴いて重要なことは教科書に直接書き込んでください。
教科書
発電・変電 電気学会 (オーム社)
参考文献及び指定図書
電気学会大学講座 発電工学 吉川榮和・垣本直人・八尾健共著(電気学会)
図解 熱力学の学び方(第2版) 谷下市松監修、北山直方著(オーム社)
わかる蒸気工学 西川兼康監修、田川龍文・川口巌共著(日新出版)
発変電工学 第2版 埴野一郎著 (オーム社)
原子力発電の基礎知識 榎本聰明著(オーム社)
関連科目
電気機器工学、パワーエレクトロニクス、水力学、熱力学、制御工学、送配電工学
オフィスアワー
授業の目的
発電技術の発達と各種発電方式の概要から始め、水力発電および火力発電の設備とその制御およびコンバインドサイクルに関する基本を学びます。次に、原子力発電が担っている重要な役割、原子力発電の仕組みとその制御に関する基本を学びます。火力発電設備とは異なる原子力発電所の特殊設備、安全確保のための設備と施設、その考え方などを理解することを目指します。水力学、熱力学、原動機、電気機器および制御機器などが発電システムの中にいかに応用されているか、機械技術者と電気技術者の知恵と創意工夫、発明と改善の積み重ねおよび材料開発などが巨大な発電プラントの進歩にいかに寄与しているかなどを学びます。最後に変電所の機能と設備を学びます。
授業の概要
発電に関する水力発電,火力発電,原子力発電,新エネルギーに関する基本を学びます。水力学,熱力学,原動機,電気機器および制御機器などを学び,最後に変電に関する変電所の機能と設備を学びます。
授業計画
学習内容
学習課題(予習・復習)
第1回 発変電技術の発達、発変電設備の概要、各種発電方式の比較、水力発電と火力・原子力発電の組合わせ
(水力発電技術の発達、火力発電技術の発達、原子力発電の発達、新エネルギー発電技術の発達、変電技術の発達、水力発電の概要、汽力発電の概要、原子力発電の概要、水力発電と火力発電の比較、原子力発電と火力発電の相違、水力発電と火力・原子力発電の組合わせ、負荷曲線と供給力分担、電力供給の安定性、負荷追従性、経済性および環境保全と電源の最適構成)
第2回 水力発電所の発電方式と水力学
(水力発電所の発電方式、水力学、発電計画、水力発電所出力、揚水電力、水車の落差と流量、出力の関係、水車の比速度と回転速度、揚水発電所の運用計算)
第3回 水車および調速機、水車発電機と励磁装置、有効電力と無効電力の調整
(水車の種類、水車の特性(効率、比速度、無拘束速度)、水車の調速機、水車の速度変動率、速度調定率、水車発電機、発電機の並列運転、定格事項、自動電圧調整器、サイリスタ励磁装置、有効電力の調整、無効電力の調整)
第4回 水力発電所の電気回路方式、制御、水力発電所の自動化と運転・保守
(主回路接続方式、母線、所内回路、遠隔監視制御、水力発電所の自動化の経緯、集中制御方式)
第5回 火力発電所のしくみ、熱力学
(汽力発電所の系統図、汽力発電所の燃料と空気の流れ、汽力発電所の水と蒸気の流れ、火力発電所の種類、熱力学の用語、熱力学の基礎的事項、基本法則、蒸気の性質、T-s線図、h-s線図、蒸気表)
第6回 熱サイクル
(カルノーサイクル、蒸気サイクル、ランキンサイクル、再生サイクル、再熱サイクル、再熱再生サイクル)
第7回 ボイラの種類および付属設備
(ボイラ構造図、自然循環ボイラ、強制循環ボイラ、貫流ボイラのそれぞれの特徴、ドラムの機能と構造、過熱器および再熱器の機能と構造、節炭器および空気予熱器の機能、燃料と燃焼装置、通風装置、集塵装置)
第8回 蒸気タービンおよび付属設備
(蒸気タービンの基本原理、蒸気タービンの種類、タービンの構造、タービンの調速装置、加減弁による蒸気制御方式、タービンの保安・監視装置、復水および給水系統、復水の原理、復水器、循環水ポンプ、復水ポンプ、給水加熱器、脱気器、給水ポンプ)
第9回 タービン発電機と電気設備
(タービン発電機の形式、冷却方式、定格事項、励磁方式、特殊運転、発電機主回路、所内回路、主変圧器、所内変圧器、始動変圧器)
第10回 発電計画、熱効率計算
(電力系統面からみた火力発電の計画の考え方、熱効率計算、ユニット容量と熱効率、熱損失概数、発電端熱効率、送電端熱効率、熱消費率、燃料消費率、蒸気消費率、熱効率向上対策)
第11回 汽力発電所の自動化と運転・保守、コンバインドサイクル発電
(汽力発電所の計測制御装置概要、全体システム構成、プラント総括制御方式、ボイラ自動制御、ボイラ・タービン協調制御、汽力発電所の自動化、コンバインドサイクル発電の概要)
第12回 原子力発電の仕組みと核反応、原子力発電の構成要素
(原子の核分裂反応と放出エネルギー、原子炉の反応原理、熱中性子、高速中性子、臨界、熱中性子炉の仕組み、発電用原子炉の構成要素、原子燃料、減速材、冷却材、制御材、反射材、構造材、遮へい材)
第13回 原子力発電の炉形式、タービン発電機、原子力発電所の安全、保安および保護設備
(加圧水型軽水炉の概念図、沸騰水型軽水炉の概念図、原子力発電用タービンの特徴、原子力発電用タービン発電機の特徴、原子炉安全設計の考え方、原子炉固有の自己制御性、原子炉の安全防護設備)
第14回 変電のしくみ、変圧器、開閉設備、母線、変成器、避雷装置、調相設備、変電所の自動化
(変電所の種類、変電所の機能、変電所の設備構成、遮断器、断路器、負荷開閉器、高信頼度母線方式、変成器、接地・避雷装置、調相設備の概要、変電所の自動化)
第15回 確認テスト及び解説
(電卓と直線定規を必ず持参)
予習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
予習・復習
授業の運営方法
発変電工学は極めて広範囲の基礎技術および応用技術から成り立っていますので、授業の基本的な形式は教科書の図・表に重点において進めて行きます。毎週、講義の進み具合に応じて適宜、例題に取り組み、学生の理解に役立てるようにします。教科書を補うための図・表などは必要に応じてプリントを配付します。
備考
電卓,筆記用具(定規,三角定規,コンパス等),講義用ノート,復習用ノートが必要です。
学生が達成すべき到達目標
1.水力発電や水力学の基礎を習得する。
2.火力発電や熱力学の基礎を習得する。
3.原子力発電や設備を説明できる。
4.新エネルギーについて説明できる。
5.変電所や開閉設備について説明できる。
評価方法
評価の割合
評価の実施方法と注意点
試験
70
電卓持ち込み可能です。
小テスト
0
適宜実施します。
レポート
0
成果発表
0
特に無し。
作品
0
特に無し。
その他
30
出席及び講義用と復習用ノートを考慮します。
合計
100
―