NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 電気電子材料(Electro-electric Materials)
担当教員名 島元 世秀
配当学年 カリキュラムにより異なります。 開講期 後期
必修・選択区分 機械工学コース:選択
自動車・メカトロニクスコース:選択必修
情報電子・電気工学コース:選択必修
単位数 2
履修上の注意または履修条件 「電子物性基礎」、「電子工学」を受講することが望ましい。
受講心得 電気電子材料は新しい材料の出現に対応できる学ぶ姿勢が大切です。受講する際は講義用ノートと復習用ノートの二冊準備して下さい。
教科書 電気物性学 酒井善雄 山中俊一 共著 (森北)
参考文献及び指定図書 ・電気・電子材料  日野太郎,森川鋭一,串田正人(森北出版株式会社)
・新版電子物性 松澤剛雄,高橋清,斉藤幸喜(森北出版株式会社)
関連科目 電子物性基礎
電子工学
オフィスアワー
授業の目的 電気電子工学分野における技術革新は使用される材料の開発・改良に負うところが多い。既存の材料の理論的位置づけができ、また将来の新材料の出現に対応ができ容易に応用ができるよう、量子工学的基礎に立脚し、電気材料に対する正しい基礎知識を修得し理解する。
授業の概要 電気電子工学分野における既存の材料の理論的位置づけを学び、また新材料である電気電子材料に対する基礎,応用知識を修得する。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
第1回 電気材料の例
 身近にある電気材料を考え、また、世の中で開発された電機システムの一例を挙げ、それらが導体、半導体、絶縁体に分類できること、それらは電子の振る舞いによって決まり、その性質を決める原理は量子力学で説明できることを紹介します。

第2回 電気材料開発の歴史
 現在のエレクトロニクス隆盛の時代は電気材料に支えられています。歴史を辿っていくと、ベルが発明した有線電話は電気を伝える金属がなければ、またエジソンが発明した白熱電球は電気を通すと光る材料がなければ成立しませんでした。電気材料開発の歴史を追います。

第3回 電気材料と物理効果
 超伝導材料におけるジョセフソン効果やマイスナー効果、光記憶材料における磁気光学効果、半導体材料におけるトンネル効果、光学材料における電気光学効果など、電気材料として機能を発揮するための物理効果との関係を調べます。

第4回 元素の周期律
 電気材料は原子から構成されます。元素の周期律表において、各元素族がどのような電気材料として使われているかを調べます。常伝導材料として用いられている遷移元素、半導体材料として用いられているⅣ族元素、Ⅲ-Ⅴ族元素、Ⅱ-Ⅵ族元素。レーザー材料として用いたれている稀土類元素や鉄族遷移元素等です。

第5回 電子の性質
 電気材料としての性質は電子の性質で決まります。電子は粒子性と波動性という二重性を有しており、電気材料としての性質に反映しています。電子を照射して回折が起こるなど電子の二重性を表す実験例や、それを記述する理論を紹介します。

第6回 水素類似原子
 物質を構成する最も基本的な原子である水素原子および原子核の電荷が整数倍の水素類似原子について、電子の軌道がどのように記述されるかを紹介します。電子軌道は主量子数n、方位量子数l、磁気量子数mで指定することができます。

第7回 半導体材料の基礎
 半導体材料は結晶から構成されています。結晶は規則的に配列した格子点からなっています。従って、結晶内のポテンシャルエネルギーは周期的です。そのような結晶内に存在し周期的な影響を受ける電子についてその振る舞いを考えます。

第8回 ブロッホの定理
 孤立原子の原子核のポテンシャルエネルギーから一次元結晶のポテンシャルエネルギーを考えます。ポテンシャルエネルギーが周期関数であるとき、電子波の固有関数が周期関数を含む関数で与えられることを紹介します。まず、一次元モデルを考え、次いで、三次元に拡張します。
 
第9回 ブリルアン帯
 電子は結晶の中では波としての性質が現れます。電子波は結晶中を進むとき格子点の周期的な配列によりブラッグ反射を受けます。とびとびの波数位置でエネルギーギャップが生じることによりブリルアン帯が形成されます。還元ゾーンについても考えます。

第10回 結晶の構造
 結晶の単位格子を表す基本並進ベクトルの大小関係や成す角度により、結晶は7種の結晶系、すなわち、立方、正方、菱面体、六方、斜方、単斜、三斜の各晶系と、面心、体心、底心まで考慮した14個のブラベー格子に分けられます。

第11回 逆格子とブリルアン帯
 単純立方結晶格子、体心立方結晶格子、面心立方結晶格子について、基本並進ベクトルから逆格子ベクトルを求め、さらに3次元のブリルアン帯の求め方について学びます。面心立方格子は体心立方格子の逆格子であり、逆に、体心立方格子は面心立方格子の逆格子であることが分かります。

第12回 エネルギーバンド構造と物質の性質
 ブリルアン帯の電子による満たされ方と電気伝導の関係を考察し、さらにバンドギャップとの関係からから電気材料が導体、半導体、絶縁体に分類できることを学びます。一般に、1原子あたりの電子数が奇数であれば金属に、偶数であれば絶縁体または半導体になります。

第13回 光デバイス材料
 発光デバイス、受光デバイス、光制御デバイス、レーザー材料について学びます。レーザー材料には気体レーザー材料、固体レーザー材料、色素レーザー材料があります。気体レーザー材料にはHe-Ne系、希ガスイオン系、金属蒸気系、赤外気体レーザー材料、化学レーザー材料、エキシマーレーザー材料等があります。固体レーザー材料には稀土類イオンや鉄族イオンがあります。

第14回 光ファイバー材料
 光ファイバーの構造と分類に触れ、光ファイバーの損失要因について考察するとともに、光ファイバー開発の歴史を述べます。光ファイバーは、屈折率の分布によりグレーデッドインデックスファイバーとステップインデックスファイバーとに、また、コア径により、マルチモードファイバーと単一モードファイバーとに分類されます。

第15回 確認テスト及び解説
予習




予習・復習




予習・復習




予習・復習




予習・復習




予習・復習




予習・復習




予習・復習




予習・復習




予習・復習



予習・復習




予習・復習




予習・復習



予習・復習



予習・復習
授業の運営方法 電気電子材料の物性,導電・抵抗材料,半導体材料,誘電体材料,磁性材料などについて学びます。 
備考 電卓,筆記用具(定規,三角定規,コンパス等),講義用ノート,復習用ノートが必要です。
学生が達成すべき到達目標 1.電気電子材料の種類の分別ができる。
2.電気電子材料の基礎的理論が理解できる。
3.電気電子材料の基礎応用的理論が理解できる。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 70 電卓持ち込み可能です。
小テスト 15 適宜実施します。
レポート 0
成果発表 0 特に無し。
作品 0 特に無し。
その他 15 出席及び講義用と復習用ノート並びに光学分光器等の技術習得状態を考慮します。
合計 100