NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 物理実験(Physical experiment)
担当教員名 池畑 義人、田中 孝康、永井 弘人
配当学年 カリキュラムにより異なります。 開講期 前期
必修・選択区分 コース共通選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件 できれば基礎学力講座1・2(物理),物理1.2(機械電気工学科),力学要論(航空宇宙工学科)などの物理学に関する基礎的な授業を受講していること。
受講心得  とにかく、授業には遅れないように毎回出席してください。出席はあまり遅くない時点でとります。また、ほかの人との共同作業なので、他の人に迷惑をかけないよう心掛けてください。また、必ず関数電卓を持参してください。
教科書 物理学実験  (本地・田中・友成・竹永著)
参考文献及び指定図書 物理学(裳華房) 小出昭一郎著
関連科目 基礎学力講座物理、波動基礎、弾性体力学
オフィスアワー
授業の目的  物理では、実験は新しい現象の発見のためや理論の検証のために必要不可欠な大切なことであり、そのため昔からたえず多くの実験が行われてきました。われわれはそのような先達が行った物理実験のうち大事なものを再現することを通じて、ともすれば抽象的にのみ捉えてしまいがちな物理学を、体で経験し理解し身につけることを目標とします。また、報告書を書くことを通して、実験の整理に必要な誤差の処理方法や、物理的な考え方や、報告書の書き方を学びます。
授業の概要 第1回,第2回はガイダンスです。
第3回~第14回に実験を行います。
第15回には自己評価を行います。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 実験実施要領の説明及びデータ整理法に関する講義
*受講希望の学生数を調査し、定員より多い場合、受講者を抽選で選ぶ。(もれたものは次回受講。)
*次に、一般的注意および基礎事項の講義(Ⅰ)
1.実験心得および諸注意    
予習をしてくること。実験ノートのつくりかた。  
実験器具の取扱いに関する注意。その他の心得など。

○第2回 実験実施要領の説明及びデータ整理法に関する講義(続)
*さらに、一般的注意および基礎事項の講義(Ⅱ)
1.実験報告書(レポート)
物理学実験レポートの標準的な構成
表題→目的→理論→実験方法→実験結果→考察(結論を含む)
3.測定に関する基礎事項
3-1.物理量の測定
(1)数値の読み取りに関する基礎事項
副尺、器差、視差、ねじの遊び
(2)ノギスとマイクロメータ
(3)気圧計と湿度計
3-2.測定値の誤差と最明値
(1)誤差要因              (2)最確値とその誤差
(3)最確値の有効桁数          (4)加減乗除計算の有効桁数
3-3. グラフの利用
A.誤差論(これはあまり詳しく説明しない)  A-1.直接測定における誤差の見積り
A-2.間接測定における誤差の見積り    A-3.最小二乗法

○第3回 (1)Bordaの振り子
項 目
*Bordaの振り子は支点からつり線で金属球をつり下げた振り子の一種であり、重力加速度を測定する装置です。
*まず最初に、Bordaの振り子の原理を読み、重力加速度が振り子の長さと振動周期により表現されることを学習します。
*次に、実験によりBordaの振り子を実際に振動させ、振り子の長さと振動周期を計測して理論式に代入することにより重力加速度を求めます。

○第4回 (2)ザールの装置によるヤング率
項 目
*ザールの装置は、つり下げた針金に荷重をかけ、針金の伸びを測定することにより針金の剛性(ヤング率)を求める装置です。
*荷重と伸びは比例の関係にあり、その比例定数がヤング率であることを基本にしてヤング率の表示式が得られるので、まず、この原理を学習します。
*次に、実験により針金に種種の荷重を加えて針金の伸びを測定し、両者が比例することを確認した後、理論式を用いてヤング率を算出します。

○第5回 (3)Jollyのぜんまい秤による表面張力
項 目
*Jollyのぜんまい秤を用いて分銅とバネの伸びとの関係を調べます。つぎにシャーレに測定液体(水)を入れ、ぜんまい秤につるされている測定環が液体から離れる瞬間のバネの伸びを測定することにより測定液体(水)の表面張力を測定します。

○第6回 (4)液体の粘性係数
項 目
*レッドウッド粘度計を用いて液体(グリセリン)の慣用粘度(レッドウッド秒)を測定する。液体の粘度は温度によって変化するが、試料の温度を変化させて実験を行い、温度によって粘度が変化する様子を理解します。

○第7回 (5)気体の共鳴
項 目
*一方の端がふさがった長い円管の中の空気柱が外部から加えられる音に反応して共鳴する現象を調べます。
*まず、このような状況における共鳴の原理を学習します。
*次に、実験により、管の開口の近くでおんさ(音叉)による音を加え、共鳴が実際に起こることを確認します。さらに、この現象を利用して、おんさの振動数や音速を求めます。

○第8回 (6)分光計によるプリズムの屈折率
項 目
*プリズムを構成するガラスの屈折率を実験により求めます。
*プリズムに細い可視光線ビームを加えるとき、プリズム頂角およびビームの最小偏向角(最小偏角)の二つの値がプリズムの屈折率に関係する。その原理をまず最初に学習します。
*次に、実験により、プリズム頂角と最小偏角とを計測し、理論式からプリズムの屈折率を算出します。

○第9回 (7)液体の比熱
項 目
*冷却法によって液体(グリセリン)の比熱を求めます。すなわち加熱そうで加熱した液体が冷却そうのなかで冷却してゆく結果(冷却曲線)を水とグリセリンの二種類の液体について求め、その結果から測定試料液(グリセリン)の比熱を求めます。

○第10回 (8)電流による熱の仕事当量
項 目
*高精度ジュール熱実験装置を用いて、電流による熱を発生させます。その電流熱による水の温度上昇量(電流供給時間と水の温度上昇との関係)を測定することによって熱の仕事当量が求まります。

○第11回 (9)ホイートストン・ブリッジ
項 目
*まず、ホイートストン・ブリッジの原理を理解します。
*また、ホイートストン・ブリッジの扱い方を学習します。
*ホイートストン・ブリッジを用いて、与えられた針金(ニクロム線)の電気抵抗を測定し、次にその比抵抗を求めます。

○第12回 (10)インピーダンス
項 目
*コイルやコンデンサーを含む回路のインピーダンス(交流抵抗)について理解します。
*つぎに、コイルやコンデンサーを含む回路を測定し、得られた値よりコイルの自己誘導係数(自己インダクタンス)やコンデンサーの電気容量(キャパシタンス)を求めます。

○第13回 (11)トランジスタ
項 目
*まず半導体とはなにか、トランジスタとは何かを学びます。
*トランジスタの動作原理を理解します。
*次に、実験により、与えられたトランジスタの静特性曲線を求め、電流増幅率を算出します。
この実験では、回路が複雑でかつ壊れやすい部品が多いので、回路については配線が正しく結線されていることを確認し、そのまま用いて実験を実施します。また、実験後には、配線はそのままにして帰るようにします。

○第14回 (12)オシロスコープ
項 目
*オシロスコープの原理を理解します。
*またその扱い方を学びます。
*オシロスコープを用いて交流電圧の実効値、交流電圧計の周波数特性、交流の周期を求めます。
*また、可変周波数発振器の目盛の校正を行います。

○第15回 自己評価
これまでの実験を振り返り,自分の取り組み度,理解度を自己評価します。

※受講者によって実験の順が異なるので、第3回以降の順も異なります。また実験のさい、まず学生が各自指導書を読むことで学習し理解をし、そのあと実験を実施します。
(予習)
実験内容に関する予習

(復習)
レポート作成
授業の運営方法  また実験にあたっては、まず教科書(指導書)を自分で学習するのを原則とします。
備考
学生が達成すべき到達目標 ・実験の目的を理解し,的確なレポートが作成できる能力を身につける
・座学で学習した内容と実験の内容を関連付けることができる
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 0
小テスト 0
レポート 84
成果発表
作品
その他 自己評価
16
自分の実験への取り組み度,グループの中での役割などを担当教員と面談しながら自己評価します。 
合計 100