NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 生徒指導(Method of Guidance for Students)
担当教員名 後藤 靖宏
配当学年 3 開講期 後期
必修・選択区分 教職必修 単位数 2
履修上の注意または履修条件 「教師になる」という強い自覚をもって履修してください。
受講心得 テキストのほか、随時「プリント資料」を配布します。資料を掲示物で示すことも多いので、注意深く積極的にノートを取るように心掛けてください。
教科書 『現代生徒指導の課題と方法』 (拙著、双林社刊、2009年)
参考文献及び指定図書 『生徒指導の手引(改訂版)』(文部省、大蔵省印刷局)
『現代教育十戒』(双林社)      その他、適宜紹介します。
関連科目 教育相談、教育心理学等の教職関連科目
オフィスアワー
授業の目的  生徒指導は、生徒一人一人が「人と生きて自己を活かす(生き方)を身に付けて自立できるよう援助する働きかけである」と言うことが出来ます。生徒指導は、学校がその教育目標を生徒一人一人に対して直接的に達成していく重要な機能の一つであります。
こうした生徒指導の考え方や重要性を認識し、その指導法や実践の指標についての理解を深め、教職への使命感と指導力を高めていくことを目的としています。
授業の概要 学校教育における生徒指導の意義・目標、機能、方法や指導上の原則等の諸理論を踏まえて、青少年期の発達課題と教育の方向性、生徒理解の方法、教師と生徒の人間関係とコミュニケーションの進め方、カウンセリングの技法、青年期の自己確立と進路指導の在り方、精神衛生面に対する配慮の必要性などについて詳述します。
また、学校現場における生徒指導の実際的事例を取り上げ、近年社会問題化している青少年の問題行動についても、その分析を通して原因や指導法を考えていきます。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
〇第1回 生徒指導の原点に立つ(VIDEO)
  人間の人間たる所以は何か、ヒトをして人たらしめるために何故教育が必要なのかを序論的に取り上げ、VTRにより、人を理解すること・人にかかわること、人を育てることの難しさとその本義について考えます。(次回以降への問題提起)
            
〇第2回 生徒指導の考え方・意義・目標
  人格の完成を目指し、社会的自立を助ける学校教育の目標を、生徒一人一人の生活の具体の中に実現・達成・援助していく働きかけが「生徒指導」です。学校の教育活動〈教育課程の展開及び課程外の活動)を中心に進められる生徒指導の機能の全貌を明らかにします。

〇第3回 現代教育上の諸問題と生徒指導の課題
  現代社会は、ますます温床的体質を強め、教育的無力性を暴露しつつあります。青少年の精神を蝕むものは何かを詳述しながら、教育とりわけ生徒指導が果たさねばならぬ役割(負わされている課題)について考えます。

〇第4回 青年期の精神構造と生徒指導
  青年期は、人生自立への三段跳びの最後のジャンプに当たります。わが人生への模索を続ける青年期にどう応えたらよいのか、どう応えるべきなのかを考えます。

〇第5回 教師と生徒の人間関係(その発達的特質)
  児童・生徒の対教師意識の発達傾向と青年期の心理的特質をふまえて、生徒指導(とくに生徒への言語的対応)をどう進めたらよいかを考えます。調査データから 中・高校生期に期待される教師像を浮き彫りにします。

〇第6回 生徒指導の内容と方法(個別指導と集団指導)
  生徒指導の内容・領域は多岐にわたり、生徒の全生活に及びます。生徒指導の方法については、大別される個別指導と集団指導の諸相を取り上げ、方法上の原則や実施法、その留意点を明らかにします。

〇第7回 生徒理解の方法
  適切な生徒指導を行うためには、その生徒を正しく理解することが必要です。生徒理解のために使われる資料、資料収集の方法、活用上の留意点について考えます。最も基本的な表簿「生徒指導要録」の内容と記入法についても取り上げます。

〇第8回 自己理解の援助と進路指導
  進路を選択し決定していく援助は、生徒指導の大きな目標の1つ。生徒自らが自分の生き甲斐を吟味し、自己理解をふまえて納得のいく進路を決定していけるよう指導・援助していくのが進路指導の眼目です。その自己理解を助ける手立てを演習します。

〇第9回 青年期の自己確立と進路の選択・決定
  「自己の再発見」の時期と言われる青年期に、自己確立を図りながら自分の進路を見定めていく心(発達)のメカニズムを明らかにし、それへの対応を考えます。

〇第10回 教育相談の技法と教師の役割
  生徒指導の一環としての教育相談(カウンセリング)の考え方や手法が注目され導入されています。教師に望まれるカウンセリング的手法の原理と方法について詳述します。

〇第11回 カウンセリング・マインドを生かした生徒指導(VIDEO)
  学校現場における日常的な生徒指導の実践事例をビデオ視聴しながら、カウンセリング・マインドを生かした生徒指導の在り方、進め方を検討、話し合いをもちます。(演習)

〇第12回 生徒の問題行動の理解と指導【「いじめ問題」を考える】
  競合脱線の如くに青少年の間に問題行動が頻発しています。通常、反社会的行動・非社会的行動・神経症的行動の三つに分けられますが、中でも「いじめ問題」は、現場教師の頭を痛める問題の一つになっています。本時では、いじめ事例のVTR視聴を通して、「いじめ」の実態(その手段や動機)、いじめ事態の早期発見、「いじめ」の構造と問題点を明らかにし、いじめへの指導的対応や留意点について話し合います(視聴・討論)

〇第13回 生徒の問題行動の理解と指導【「不登校問題」を乗り越える】 
 生徒指導上の難問の一つに、不登校・登校拒否生徒の指導があります。その原因は多様ですが、特に深刻で注意深い対応が求められる神経症的不登校について、その原因、早期発見への手がかり、段階的指導の観点と予防的対応について考えます。

〇第14回 学校における生徒指導体制の確立
 日常の生徒指導は、主として学級担任によって行われますが、対応が難しい事例については、一人で抱え込まず、管理者・先輩・同僚に相談したり、生徒指導部会や教育相談会議などチームによる検討・対処も望まれます。生徒指導は、全教師によって担当していく構えとその体制づくりが肝要、校内組織づくりをはじめ、全教師による研修機会の拡大と充実、家庭との連携、地域の専門機関との連携等のあり様を取り上げます。
 
〇第15回 学級(ホームルーム)経営と生徒指導
  学級・ホームルーム経営の中核は、生徒指導にあると言っても過言ではありません。教師と生徒・生徒間の人間関係の改善から教室環境の整備や安全管理に至るまで、学校及び学級で営まれる経営のすべてが、「目指す生徒指導」に結晶していくことを体系的にまとめます。

〇第16回
期末試験
第1回
配布資料
掲示物
レポート小課題提示

第2回
配布資料
掲示物
指導事例へのコメント1

第3回
配布資料
掲示物
指導事例へのコメント2

第4回
配布資料
掲示物
指導事例へのコメント3

第5回
配布資料
掲示物
指導事例へのコメント4

第6回
配布資料
指導事例へのコメント5

第7回
配布資料
掲示物
レポート小課題提示

第8回
配布資料
掲示物
指導事例へのコメント6

第9回
掲示物
指導事例へのコメント7

第10回
掲示物
指導事例へのコメント8

第11回
掲示物
レポート小課題提示

第12回
配布資料
掲示物

第13回
配布資料
掲示物

第14回
配布資料
指導事例へのコメント9

第15回
配布資料
テスト準備への課題提示


授業の運営方法 講義形式を主にしますが、随時、関連内容のVTR視聴や指導事例の資料により討論や意見発表、小課題レポート提出等の機会を導入します。
備考
学生が達成すべき到達目標 ①生徒指導の意義、目的、内容と方法等について理解する。
②生徒の発達傾向と青年期の心理的特質について理解を深め、接し方を感得する。
③コミュニケーション能力を高め、生徒への言語的対応法を身につける。
④教師に期待される資質や姿勢を再確認し、自己研鑚への心構えをもつ。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 70 講義内容の理解度と応用的判断力、生徒への指導的対応力について評価します。
 (用紙2枚で、1枚分は判断力・指導的対応力を問うものです。)
小テスト
レポート 20
成果発表
作品
その他 10 出席状況、レポート提出や受講態度、意欲的取り組み等も評価に加味します。
合計 100