NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 振動工学(Basic Engineering Vibration)
担当教員名 藤本 達見
配当学年 カリキュラムにより異なります。 開講期 後期
必修・選択区分 必修
単位数 2
履修上の注意または履修条件 振動現象は2階微分方程式と関連が深いので、微分法と三角関数、複素数を復習しておいて下さい。
受講心得 教科書を使用しますが、教科書以外の事項も解説しますので、必ずノートをとって整理して下さい。演習問題を6回程度出題し、提出者には加点を考慮します。関数電卓を持参して下さい。なお、欠席した学生は課題の解答またはレポートを提出することができません。
教科書 「工業振動学」(森北出版 )中川憲冶ほか著
参考文献及び指定図書 谷口 修著「改訂 振動工学」(コロナ社)
関連科目 力学要論(1年後期、必修)
制御工学基礎(3年前期、選択)
オフィスアワー
授業の目的 航空機や自動車に発生する振動は故障、疲労破壊および乗り物酔いの原因となります。この振動現象を理解し、振動防止の基礎知識を習得します。まず振動は振幅、振動数、位相で表せることを示し、振動に関係する慣性力、減衰力、復原力を解説します。次に力の釣り合いから運動方程式を導き、その解である単振動を説明します。まとめとして、種々の振動モデル(1自由度、2自由度)の例を示し、固有振動数の計算ができるよう講述します。また、回転体の振動として、危険速度とふれまわりについても解説します。
授業の概要 振動の3要素(振幅、振動数、位相)を理解し、1自由度振動や回転体の危険速度の計算ができるよう解説・講義します。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回
 授業計画、振動工学の講義範囲と関連科目、振動と音、振動の3要素、航空機に発生する振動現象について解説します。振動紹介のビデオを映写します。

○第2回
 単振動と振動の表現法(振幅、振動数、位相角)、(振動変位、振動速度、振動の加速度)、および振動の基本要素(慣性力、復元力、減衰力)について解説します。

○第3回
 励振力(風力、地震力、一般外力)の特徴、ばね常数と直列ばね、並列ばね、分配ばねの特性について解説します。

○第4回
 自由度と座標系、力・モーメント・エネルギーについて解説します。運動方程式の誘導とニュートン、ラグランジュ、ハミルトンの方法について単振り子を例にして解説します。

○第5回
 1自由度系の振動として単振り子の振動、非減衰自由振動とばね・質量系の振動、片もちばりの振動について運動方程式を示します。

○第6回
 1自由度系の固有振動数の計算法を運動方程式(常微分方程式)の解法とともに示します。また、他の方法として、エネルギー法とレーリー法を解説します。
 
○第7回
 Ⅰ自由度系のその他の例(ねじり振動、液体の振動、電気振動、空気振動)を解説します。

○第8回
 ミニテストを実施します。基礎知識と専門用語、および1自由度系の固有振動数のまとめを行います。

○第9回
 ミニテストを返却し、解説します。振動計測やデータ処理の実例を紹介します。

○第10回
 1自由度減衰振動であるダッシュポット(オイルダンパー)、臨界減衰係数を解説します。振動振幅が時間とともに減少する様子を、グラフと数式によって示します。

○第11回
 強制振動の応答を共振と周波数応答線図で表示することを示します。また、振動倍率と位相遅れ、変位励振と遠心力加振について、応答線図により解説します。

○第12回
 周波数応答のボード線図表示を示し、制御工学との関連を解説します。さらに、振動による仕事と消失エネルギーについて計算法とその意味を解説します。

○第13回
 過渡振動、インパルス応答とステップ応答、ラプラス変換と伝達関数を解説し、制御工学との関連や、計算手法を簡単に紹介します。

○第14回
 回転体の振動の特徴、危険速度とふれまわり、遠心力と変位量の計算法、およびロータの偏心量とつり合わせ法を解説します。2自由度振動について、簡単に説明します。

○第15回 
 航空機に発生する空力弾性振動のうち、フラッター現象についてメカニズムを説明します。さらに、航空法第10条4項に定められている航空機の安全性について解説します。

○第16回 
 試験時間は80分。持込は原則不可としますが自筆による整理メモ(A3版用紙)は持ち込み可能です。関数電卓での計算が必要となります。
第1回~第15回
配布資料と講義レポートの提出
授業の運営方法 基本的には教科書に沿って行います。資料配布は必要に応じて行います。教室の座席を指定します。
備考
学生が達成すべき到達目標 ①振動現象に必要な運動方程式の基礎を復習し、理解する。
②変位、速度、加速度、および振幅、固有振動数、位相について理解する。
③種々の1自由度振動や回転体の危険速度を計算できる。
④航空機に発生する振動現象を理解し、安全性について考える。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 75 振動現象を数学的に表現し、理解できているかを確認します。解答に至る過程や計算力も重視します。
小テスト 10 反復練習を通して、振動現象についての理解を深めます。
レポート 10
成果発表
作品
その他 5 講義出席とレポート提出を評価の対象とします。また、試験は座席指定で実施します。
合計 100