NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 航空宇宙電子システム(Aerospace Electronic System)
担当教員名 鈴木 晃夫
配当学年 3 開講期 前期
必修・選択区分 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件 航空整備士や航空無線通信士の国家資格を目指す学生には補講で説明します。 
受講心得 将来の航空機関係の技術活動には空気力学、構造設計に加え航空電子の知識が必要です。従って航空電子の基礎知識を積極的に習得して貰いたい
教科書 プリントを配布します
参考文献及び指定図書 プリントの中に参考文献を示します。
関連科目 電気電子工学基礎、制御工学基礎、航空計器、飛行制御
オフィスアワー
授業の目的 航空機は地上からの航空管制を受け、計器飛行により雲中や夜間等周囲が見えなくても安全に飛行できます。最近の航空電子システムはコンピュータ技術を使って幅広い機能と自動化を実現し、計器飛行など運用上欠かせない重要なシステムになっています。航空電子システムのコンピータ・ソフトウエア・アルゴリズムは小型機の機能を基本に構築されています。本講義ではこれら基本技術を習得することを目的とします。
 また、航空整備士や航空無線通信士の国家資格を取得できるような専門知識を身に付けることを到達目標とします。

授業の概要 最初は航空電子システムを学ぶために必要な基礎知識を復習します。小型機の航空電子システムを基に計器飛行に必要な無線通信、無線航法、衛星航法、飛行計器システム及びオートパイロットについて習得します。さらにこれらのシステムが作動するために必要となる電源システムや電装関係を見ていきます。最後にアビオニクス・デジタル・システムの概要を説明します。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
第1回
航空電子システムの運用概念、電気磁気
最近の航空機は雲の中や夜間でも航空交通管制の誘導や操縦席の計器を頼りに飛行できます。この航空交通管制と航空電子システムの運用概念を見て生きます。航空電子システムが利用する電流や電波の基本である電気と磁気について復習します

第2回
電波伝搬
航空機と地上との情報のやり取りは電波で行われます。電波発生のメカニズムを理解します。また、地球上空にある電離層の反射、吸収が電波の周波数で電波伝搬の様子が相違し、無線通信に多大な影響を与えます。電波伝搬の特徴を学習します。

第3回
アンテナ
電波の授受はアンテナを通して行われます。アンテナの電波放射の原理や各種アンテナの特徴を学習します。また、航空機実機を見学して、使われている各種 アンテナを確認し、その特徴や装備の留意点を理解します。

第4回
交流
交流回路が航空電子の中の回路に良く使われており、交流の基礎を理解することは重要です。まず、交流発電の原理と特徴を見て行きます。交流の負荷には抵抗の他、コンデンサやコイルがあります。これらをインピーダンスといい電圧と電流の間に位相差が発生します。インピーダンス合成の概念、共振回路や変圧器の原理や特徴を習得します。

第5回
半導体と増幅器
航空電子装置の中に多数使われている半導体の性質を理解した上で、整流回路で必要なダイオード、増幅器として使われるトランジスタの原理と特徴を学習します

第6回
通話システムと無線送受信機
乗員相互や客室へ放送する通話システムがあります。又、航空機外部とは無線通信で行っています。音の性質を理解した上で、通話システムや無線送受信機の原理や特徴を習得します。

第7回
無線航法システム(ADF、VOR,DME)
航空路には航行援助無線設備として方位を知らせるVORや距離を測定できるDME等があります。航空機はこれらの電波を受信して航法に利用します。VOR,DMEなど無線航法装置の原理を理解してもらいます

第8回
計器着陸システム(ILS)
航空機の事故は着陸時が最も多いので、地上からの電波誘導で操縦ガイダンスを与えることは事故防止に役立ちます。計器着陸装置の機能と特徴からシステムを理解して貰います。

第9回
レーダ・システム、衛星航法装置
レーダには反射エコーを受信して表示する一次レーダと地上質問装置からの質問に機上トランスポンダが応答し、その応答信号を受信して航空機を識別するための二次レーダがあります。地上監視レーダや機上気象レーダは一次レーダです。航空交通管制では地上2次レーダで航空機の識別をしています。一次レーダ、二次レーダの原理を理解します。また、最近、衛星航法装置としてGPSが使われいます。GPSの原理を紹介します。

第10回
空盒計器
運用時、衝突防止や飛行性能に対応する為、高度、速度の表示は気圧高度、対気速度計が基本です。ディジタル・システムでは同じ原理を用いて算出し、ディジタル表示しています。従来、空盒計器が利用されて来たので、この原理を説明します。

第11回
磁気コンパス、ジャイロ計器
基本的な方位指示器として磁石を利用した磁気コンパスがあり、この構造や特性を見ていきます。また、航空機は機械式ジャイロの特性を利用して姿勢と方位を表示しています。このジャイロ計器の原理や誤差要因を説明します

第12回
発電系統(発電機、バッテリー)
航空電子システムの作動には電源が必要であり、発電機と蓄電池が利用されます。発電機、蓄電池の原理や特徴を理解して貰います。

第13回
電装(配電、配線)
電源からの配電系統の概念を説明し、配線、結線、ボンディング、静電気対策、灯火、電気式計器や電動機などの原理、目的、注意事項を説明します。さらに飛行機整備時に使用する電気計測器の原理や取り扱いについて説明します。

第14回
オートパイロット
操縦系統の概念とオートパイロットの関係から安定化装置、トリム装置、姿勢制御や飛行経路制御の原理、目的などを説明します

第15回
アビオニクス・ディジタル・システム
2進数、16進数や論理回路の ディジタル技術の基礎を復習し、ディジタル・データ・バスを説明します。最近の航空機は統合表示装置に飛行情報などを表示しています。表示の基本は小型機の飛行計器と同じで、姿勢、方位、高度、速度など統合表示装置との対応を見ていきます。また、飛行管理システムの概要を説明をしていきます。

第16回
理解度評価
第1回~第15回までの講義の内容から問題を出題して回答して貰います。

















第1回~第4回テキスト中心になります。   アンテナの装備の実態を実機で見学します。理解を助けるため演習課題を課します。



第5回~第8回テキスト中心になります。  飛行シミュレータを見学し理解を深めます。 理解を助けるため演習課題を課します。



第9回~第12回テキスト中心になります。 ジャイロの剛性の実験を行って貰います。 理解を助けるため演習課題を課します。



第13回~第15回テキスト中心になります。   電装の状況など実機を見学します。 理解を助けるため演習課題を課します。


授業の運営方法 講義を主体にし、極力、実習や実機見学を入れて理解を深めて貰います。毎回授業内容に関する演習課題を課します。期限までに提出してください。
備考
学生が達成すべき到達目標 ①電気磁気の作用から航空機における電波応用技術を習得、理解する
②空ごう計器、ジャイロ計器の原理と航空機運用上の特失を習得、理解する
③航空機の電源や電装関係の特徴と整備作業上の守るべき事項を理解する
④自動操縦装置や飛行管理システムの原理を習得、理解する
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 60 毎回の講義の要点を理解できているかを確認します。
小テスト
レポート 30
成果発表
作品
その他 10 講義に欠席・遅刻・早退せずに意欲的に取り組んだ場合、評価の対象です。
合計 100