NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 航空機CAD1(Aircraft CAD1)
担当教員名 岩村 直樹
配当学年 3 開講期 前期
必修・選択区分 航空宇宙システムコース 選択  航空機整備コース 選択  航空宇宙設計コース 選択必修 単位数 2
履修上の注意または履修条件  設計計算書作成および図面作成で個人作業時間が長くなりますが、静粛に学習し他の学生の迷惑にならないようにして下さい。また、授業時間中のインターネットの使用は禁止します。
受講心得 設計計算書の作成および図面作成に必要な卓上計算機を持参して下さい。また、設計計算などを記録するノートを1冊準備して授業に持参してください。
教科書 なし
参考文献及び指定図書 新編JIS機械製図 吉澤武編著 森北出版
航空機構造設計 -機体設計のための実用書-  マイクル・C・Y・ニウ著  名古屋航空技術
関連科目  航空機構造 機械CAD
オフィスアワー
授業の目的 航空機は、軽量化のため薄板部品で構成される薄板構造であり、薄板構造の計算方法が必要であると共に、外形の重要さ、基本的に左右対称であること、使用材料に特徴があることから、機械の設計・製図とはかなり違います。また、航空業界では3次元CADのCATIAを使用して3次元データを作成するため、CATIAの使用方法も同時に学びながら、航空機の代表的な構造部材を想定して強度計算を行い3次元データを作成します。簡単な航空機部材の強度計算とCATIAによるデータ作成ができるようになることが目標です。
授業の概要
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 航空機部材の特徴とCATIAのスケッチャーによる基本図形の描画
 航空機の部材は、軽量化が最も重要であるため、余肉を極限まで削った薄肉部品、一般の機械では少ないボルトやリベットでの結合、変形し易い薄板部品の治具を使用する組立などの特徴について学びます。また、CATIAの立体作成の為の基本となるスケッチャーによる基本図形の描画方法を学びます。

○第2回 薄板部品の加工法およびスケッチャーの拘束機能、形状操作機能
 設計を行うには加工方法を知る必要があるため、薄板構造部品の加工法の概要を学びます。また、CATIAの寸法を記入して長さや角度を拘束する機能、平行線のような線と線の関係をつける拘束機能、および作成した図形の移動や回転などの形状操作について学びます。

○第3回 航空機に使用する材料およびCATIAによるスケッチャーからの立体作成方法
 航空機は軽量化が最も重要であり、他の工業製品とは使用材料が異なります。このため材料に関する基本的な知識を学びます。また、CATIAによるスケッチャーで作図した図形を立体化する方法を学びます。

○第4回 材料の応力、ひずみおよびCATIAによる回転体やねじの表示機能
 薄板構造における各種の応力、ひずみについて学びます。また、CATIAによる回転体の作成、角の丸め加工、規則的な穴配置の作成機能などについて学びます。

○第5回 ファスナ継手の設計およびCATIAの曲線活用機能
 航空機の結合は殆どがファスナ(リベットやボルト)結合であり、その結合部(継手)の設計方法を学びます。また、CATIAの配管など曲線状に曲がった部品の設計に有効な方法を学びます。

○第6回 梁および梁の結合部の設計方法およびCATIAによる複雑形状部品の作成方法
 梁の計算方法および代表的な梁の結合部のファスナ結合の設計方法を学びます。また、CATIAにより配管の結合部などを容易に作成する方法などを学びます。

○第7回 薄板部品の座屈強度計算方法およびCATIAによる立体からの図面作成機能
 航空機の部品は軽量化のために薄板化しているため、強度的には圧縮座屈が重量軽減に最も影響が大きい。この座屈強度を計算する方法を学びます。また、CATIAで作成した立体データから図面を自動的に作成する方法を学びます。

○第8回 航空機図面の作成基準の概要およびCATIAによる寸法、表面粗さなどの図面への記入方法
 航空機図面は、各航空機メーカで独自の製図基準を作成して使用しているのが現状であるが、共通している一般的な部分の概要を学びます。また、CATIAによる図面への寸法、公差、表面粗さ等の記入方法を学びます。

○第9回 結合金具の耳金部の設計方法および設計課題(1)
 部材の結合に多く使用される耳金部の設計方法を学びます。また。課題の引張荷重を受けるストリンガーの強度計算を行い寸法を決めて、CATIAで立体データを作成します。また、これを図面にして提出します。

○第10回 設計課題(2)
 課題の圧縮荷重を受けるストリンガーの強度計算を行い寸法を設定してCATIAで立体データを作成して提出します。

○第11回 CATIAによるアセンブリーデザイン
 CATIA内で、事前に作成した部品を組み立てる方法を学びます。

○第12回 設計課題(3)
 ストリンガーなど長い部品は途中で必ずつながなければならない。課題のストリンガーの継手を設計して立体データを作成します。また、これを図面にして提出します。

○第13回 CATIAによるボルトなどの規格品の使用
 ボルトやリベットなどは規格品を購入して使用します。このため,CATIA内でこれらの標準部品を呼び出して使用する方法を学びます。

○第14回 装備品支持部の設計および課題(4)
 これまで学んだ各種の設計に関する知識を活用して装備品を機体に取り付けることを想定した課題について、部材配置構想から荷重算出、強度計算までを学びます。この中の部材の一つであるスチフナの設計を行い,CATIAで立体データを作成して提出します。

○第15回 
 これまでの課題について、不足部分を仕上げて提出します。

○第16回 
 学習不足分について、補講を実施します。また確認のための課題を提出します。 
毎回、原則として、講義の最後に学習成果確認のための課題を提出します。
授業の運営方法 CAD1教室で、設計計算とCATIAを同時に学びます。
備考
学生が達成すべき到達目標 航空機設計に最低限必要な基礎的計算能力、基礎的作図能力の習得
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験
小テスト 100 当日学習した成果を計算課題または、実技課題により確認します。(計40点)
ただし、第8回目授業で、中間試験相当の小テスト(30点)、第15回目授業で、期末試験相当の小テスト(30点)を実施します。
レポート
成果発表
作品
その他
合計 100