NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 熱工学(Engineering Thermodynamics)
担当教員名 藤本 達見
配当学年 2 開講期 後期
必修・選択区分 航空宇宙設計コース 選択
空機整備コース 選択
空宇宙システムコース 選択
単位数 2
履修上の注意または履修条件  エンジンに関する基礎科目であり、熱力学の基礎項目、とくに熱と仕事、理想気体のエントロピー変化,
サイクルと熱効率について復習しておいて下さい。
受講心得  教科書を使用しますが、教科書以外の事項も解説するので、必ずノートをとって整理して下さい。課題問題を11回出題し、提出者には加点を考慮します。関数電卓を持参して下さい。なお、欠席した学生は課題の解答またはレポートを提出することができません。
教科書 P.B.WHALLEY著 基礎工業熱力学(Basic Engineering Thermodynamics) 裳華房
参考文献及び指定図書 JSMEテキストシリーズ「熱力学」(日本機械学会)
岐美 格ほか著「工業熱力学」(森北出版)
関連科目 熱力学(2年前期、必修)
オフィスアワー
授業の目的  熱力学に引き続き、エンジンサイクルの基礎知識を習得して、サイクル計算ができることを目的とします。まず復習項目として、状態変化をp-v線図とT-s線図により確認し、仕事と熱の関係の理解を深めます。つぎに、燃焼、伝熱、およびガスの流動について基礎式を示して解説します。さらに、エンジンの主要要素であるタービンとコンプレッサーについて解説します。結果としてガスタービンサイクルの熱効率と断熱効率の計算ができるよう講述します。まとめとして、熱力学の一般式についても簡単に説明します。
授業の概要
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回
後期の授業計画と進め方を説明します。状態量と仕事と熱の関係、ポリトロープ変化による仕事と熱およびエントロピー変化について前期で学んだ事項を復習確認し、授業内容について課題を出します。
○第2回
特性線図としてのp―v線図とT-s線図を解説し、カルノーサイクルの意味と熱効率を解説します。次に有効エネルギーの概念とエクセルギーについて解説し、ギブス自由エネルギーを説明します。授業内容について課題を出します。
○第3回
エンジンサイクルを構成する圧縮、加熱、膨張、冷却を解説し、加熱は燃焼を利用していることを解説します。燃焼の具体例として炭素、水素、炭化水素の化学反応式と発熱量を示し、授業内容について課題を出します。
○第4回
加熱と冷却は伝熱現象を利用することを解説します。伝熱現象は3つに大別されること、熱伝導とフーリエの式、対流とニュートンの冷却法則、熱放射とステファン・ボルツマンの法則について解説し、授業内容について課題を出します。
○第5回
エンジン内で生じるガスの流動を解説します。具体例として絞り管や拡大管の流れの特徴を示します。また翼や物体まわりの流れについても解説します。第1回―第4回の授業内容についてテストを行います。また、テストの模範解答を行い、解説します。
○第6回
ガスの流動に関する基本的な考え方を解説します。そしてガスの流動を支配する連続の式、運動量の式、エネルギーの式について種々の表現法を示し、定式化します。授業内容について課題を出します。
○第7回

○第8回
エンジンの主要要素であるタービンとコンプレッサーについて、役割と特徴を解説します。また、作動原理と作動特性や流体機械の特徴を解説し、授業内容について課題を出します。
○第9回
タービンとコンプレッサーの断熱効率と等温効率を解説し、発生仕事の計算法を示します。また、2段圧縮過程につても解説し、授業内容について課題を出します。
○第10回
定常流れの動力発生サイクルとしてのガスタービンサイクルの作動原理を解説します。ブレイトンサイクルの熱効率と発生仕事の計算法を示し、授業内容について課題を出します。
○第11回
ブレイトンサイクルや複合サイクルの特性と特徴を解説し、航空用ガスタービンの特徴を解説します。第6回―第9回の授業内容についてテストを行います。また、テストの模範解答を行ない、解説します。
○第12回
種々のエンジンサイクル(ルノアールサイクル、ランキンサイクル)の作動原理と熱効率の計算法を示します。エンジンの歴史と発展について解説し、授業内容について課題を出します。
○第13回
代表的な内燃機関であるオットーサイクルとディーゼルサイクルの作動原理と熱効率の計算法を示します。自動車用エンジンとの関連を解説し、授業内容について課題を出します。
○第14回
熱ポンプおよび冷凍機サイクルの動作原理を解説します。次に動作係数や発生仕事の計算法を示します。また、環境対策についても解説して、授業内容について課題を出します
○第15回
熱力学の一般式を解説します。また、マックスウェルの式やクラペーロンの式を解説し、熱力学諸量の確認と定式化のまとめを行います。第11回―第13回の授業内容についてテストを行います。また、テストの模範解答を行い、解説します。
○第16回 期末試験
試験時間は80分。持込は原則不可としますが自筆による整理メモ(A3版用紙)は持ち込み可能です。関数電卓での計算が必要となります。

第1回~第15回
配布資料と講義レポートの提出
授業の運営方法  基本的には教科書に沿って行います。資料配布は必要に応じて行います。教室の座席を指定します。
備考
学生が達成すべき到達目標 ①エンジンサイクルを理解し、熱効率の駅さん計算ができること。
②燃焼の発生熱量を理解し、計算できること。
③伝熱現象(伝導、対流、輻射)を理解し、計算できること。
④ジェットエンジンサイクル、熱効率、断熱効率を理解し、計算できること。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 75 熱機関の基本(サイクルや熱効率)を数学的に表現し、理解できているかを確認します。解答に至る過程や計算力も重視します。
小テスト 10
レポート 10
成果発表
作品
その他 5 講義出席とレポート提出を評価の対象とします。また、試験は座席指定で実施します。
合計 100