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シラバス情報
平成22年度
工学部機械電気工学科
詳細
シラバス情報
注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「
UNIVERSAL PASSPORT
」で詳細をご確認下さい。
科目名
伝熱工学(Heat Transfer Engineering)
担当教員名
松尾 篤二
配当学年
3
開講期
後期
必修・選択区分
選択
単位数
3
履修上の注意または履修条件
教科書に多くの例題があります。必ず購入してください。
電卓を毎回持参してください。
受講心得
内容の理解には授業に出席することが第一です。授業には毎回出席してください。教科書に多数の例題と演習問題があります。授業でできるだけ多くの問題を解説しますが、全てを取り上げる時間はありませんので、解説しなかった問題は自分でやって、わからない点は質問してください。
教科書
伝熱学の基礎
(理工学社)吉田駿著
参考文献及び指定図書
伝熱工学の学び方 西川兼康監修・北山直方著 (オーム社)
例題でわかる伝熱工学 平田哲夫・田中誠・石川正昭・羽田喜昭著 (森北出版)
伝熱学 西川兼康・藤田恭伸共著 (理工学社)
関連科目
流体力学2、エネルギー工学
オフィスアワー
授業の目的
機械には、様々に熱が関係します。たとえば、自動車のエンジンのピストンやシリンダは高温の燃焼ガスから熱を受けます。回転機械の軸受けでは摩擦熱が発生し、場合によっては冷却が必要となります。このようにほとんどの機械に熱はつきものです。我々の日常の生活においても、暖房、冷房、調理をはじめ、いろいろな場面で加熱、冷却、保温といった熱操作が行われています。これらの熱を取り扱う学問である伝熱工学の基礎知識を修得して、機械技術者としていろいろな場面で遭遇する熱問題の実際的解決能力を身に付けます。
授業の概要
熱の伝わり方には、伝導、対流、放射の三つの形態があります。それぞれの形態について、どのような伝熱現象で支配因子は何かを説明し、計算方法を示します。基本的な計算式は簡単ですが、これらの伝熱形態が複合する場合が多く、形状や流体の流れが複雑に関係しますので、実際の問題では計算は複雑になります。それらを多くの例題で説明します。また、液体を加熱すると生じる沸騰現象や、水蒸気が冷却されて水になる凝縮現象、二種類の流体の間で熱をやり取りする熱交換器の計算方法も説明します。
授業計画
学習内容
学習課題(予習・復習)
○第1回 伝熱現象の概要
基本的な伝熱形態である伝導、対流、放射の伝熱現象を解説し、本講義で頻繁に出てくる用語を説明します。
○第2回 熱伝導の基礎理論
物体内部の温度勾配と熱伝導で伝わる熱量との関係を表わすフーリエの法則を説明し、例題で実際の熱伝導問題へこの法則がどのように適用されるかを示します。
○第3回 一次元定常熱伝導
平板や円管など、実際に取り扱う機会の多い物体の熱伝導計算式をフーリエの式から導いて説明します。
○第4回 熱通過
一方の流体から固体壁を通して他方の流体へ熱が伝わる熱通過の考え方と、固体壁が平板や円管の場合の熱通過の計算式を説明します。
○第5回 伝熱促進とフィンの伝熱
熱通過における伝熱促進の考え方を解説します。伝熱促進の一つの方法であるフィンの伝熱とフィン効率について説明します。
○第6回 演習問題
熱伝導と熱通過に関する演習問題に取り組みます。
○第7回 演習問題
前回に引き続き、熱伝導と熱通過に関する演習を行います。
○第8回 対流伝熱の概要
固体表面と流体間の伝熱は、流体の対流によって行われます。対流伝熱の数式表現と理論の概要を解説します。
○第9回 外部流の対流伝熱
平板に沿う流れと円柱周りの流れについて、対流熱伝達率の計算式を示します。例題で計算方法を説明します。
○第10回 円管内の対流伝熱
円管内を流体が流れる場合の流れの発達と速度境界層、温度境界層について解説し、層流、乱流それぞれの状態での対流熱伝達率の計算式を示します。
○第11回 円管内対流伝熱の計算法
いろいろな例題で円管内対流熱伝達の計算方法を解説します。
○第12回 自然対流熱伝達
流体の密度差によって自然に流体が流動する自然対流における伝熱について解説し、例題で計算方法を説明します。
○第13回 演習問題
対流伝熱に関する演習問題に取り組みます。
○第14回 演習問題
前回に引き続き、対流伝熱に関する演習を行います。
○第15回 小テスト
第1回~第14回の授業内容の要点を説明したのち、小テストを行います。
○第16回 沸騰熱伝達
液体が加熱されて蒸気になる沸騰現象の分類と沸騰状況の変化を表わす沸騰特性曲線について解説し、容器内の水が沸騰するプール沸騰での沸騰熱伝達率の計算式と計算方法を説明します。
○第17回 管内沸騰熱伝達
管内を流れる水が沸騰して流れ方向に次第に蒸気の割合が増加し、流動様式と沸騰状態が変化する状況を解説します。
○第18回 凝縮熱伝達
蒸気が冷却されて液体になる凝縮現象の分類と凝縮液の挙動を解説し、垂直平板や円管外面での凝縮熱伝達について説明します。
○第19回 演習問題
沸騰と凝縮に関する演習問題に取り組みます。
○第20回 放射伝熱の概要
放射は物体が電磁波でエネルギーを放出したり吸収したりする現象です。熱放射量を与えるステファン・ボルツマンの法則や、黒体、放射率、吸収率など、放射伝熱の基礎的事項を解説します。
○第21回 黒体間の放射伝熱
放射率が1である黒体面間の放射伝熱の計算式を導きます。放射伝熱量を支配する二つの面間の幾何学的関係を表す形態係数の考え方を説明し、代表例について形態係数の値を示します。
○第22回 灰色面間の放射伝熱
放射率が1より小さい物体を灰色体といい、灰色体表面では入射エネルギーが一部反射されます。二つの灰色面間の反射を考慮した放射伝熱の考え方と計算式を解説します。
○第23回 二つの灰色面間の放射伝熱計算例
いくつかの例をあげて、二つの灰色面間の放射伝熱の計算方法を解説します。
○第24回 三つ以上の面からなる系の放射伝熱
三つ以上の灰色面間の放射伝熱の計算方法と計算例を解説します。
○第25回 演習問題
放射伝熱に関する演習問題に取り組みます。
○第26回 演習問題
前回に引き続き、放射伝熱に関する演習を行います。
○第27回 熱交換器の形式
一方の流体から熱を取って他方の流体へ熱を与える熱交換器における熱収支の考え方を説明し、熱交換器の形式と分類を紹介します。
○第28回 熱交換器の熱計算
二つの流体の平均的温度差を与える対数平均温度差を説明し、熱交換量の計算方法と計算例を解説します。
○第29回 演習問題
熱交換器に関する演習問題に取り組みます。
○第30回 演習問題
前回に引き続き、熱交換器に関する演習を行います。
○第31回 テスト
第16回~第30回の授業内容についてテストを行います。
授業の節目で演習問題の宿題を出します。
授業の運営方法
講義、例題・演習解説のほか、演習問題の宿題提出も求めます。
備考
学生が達成すべき到達目標
①熱伝導現象を理解し、伝熱量や温度の計算できるようになる。
②対流伝熱現象を理解し、伝熱量や温度の計算できるようになる。
③放射現象を理解し、伝熱量や温度の計算できるようになる。
④これらが複合した伝熱問題の計算ができるようになる。
⑤熱交換器の基本的な伝熱計算ができるようになる。
評価方法
評価の割合
評価の実施方法と注意点
試験
35
授業内容を理解できているかを確認します。計算問題は考え方、解答の記入方法、答の数値の単位の有無も評価します。
小テスト
35
授業内容を理解できているかを確認します。計算問題は考え方、解答の記入方法、答の数値の単位の有無も評価します。
レポート
30
成果発表
作品
その他
合計
100
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