NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 教育課程論(Educational Program)
担当教員名 高橋 洋勝
配当学年 2 開講期 後期
必修・選択区分 教職必修 単位数 2
履修上の注意または履修条件 2008年度入学生より
受講心得
教科書 『教育課程』 柴田義松 著(有斐閣コンパクト)
参考文献及び指定図書 『新カリキュラム論』 長尾彰夫 著(有斐閣選書)
関連科目
オフィスアワー
授業の目的 教育課程論(カリキュラム)の概念、歴史、現状、課題について基礎的事項を理解し、それらに関する質問に的確に答えることができる。
学習指導要領の歴史及び構造を十分に理解し、学習指導要領、生徒の発達を踏まえ、学力を保障するカリキュラムを編成する基礎的力量を身につける。
授業の概要 今日の教育問題との関連を視野に入れながら、教育課程(カリキュラム)の概念、歴史、現状、編成原理、編成方法及び課題について基本的事項を概説する。 
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
第1回
現代の教育課題1
12年間での学校生活で子どもはどのように成長・変化し、また12年間をどのように生活しているのか。 最近では、学力低下、基本的生活習慣の乱れ、いじめや不登校の問題など、子どもを取り巻く現状は厳しくなっている。 教師には子どもを取り巻く現状がどんな状況であっても、子どもの実態にあった指導・援助を行い、支えていくことが求められる。ここでは様々な調査結果を基にして、最近の子どもの生活と学校での様子考察する。 調査結果を一つの客観的資料として、子どもの実態とそれを把握する力をつけて欲しい。

第2回
教育の目的と目標
教育には必ず目標がある。目標のないところに教育活動は成立しない。教育目標はどのように設定されるのかを学習する。

第3回
学校知(教育の基調)の転換
1970年代半ばから学校の荒廃現象が目立ち始め、学校の病理現象克服を目指すとともに、21世紀の教育の在り方を展望する学校教育改革案が各方面で検討された。中央教育審議会の第一次答申に基づいて、自ら学び自ら考えるなどの「生きる力」を育成する教育へとその基調を転換していくことが強調され、様々な取り組みがなされてきた。ここでは教育の基調の転換がどのように行われたかを学習する。

第4回
教育課程(カリキュラム)1ーカリキュラムとは、カリキュラムの開発
カリキュラムとは「学習経験の総体」である。従来の「教育課程編成」にかえて「カリキュラムの開発」という用語を用いることにはどのような意義があるのか。また、「潜在的カリキュラム」などの新しいカリキュラム研究はどんな問題を提起しているのかなど、カリキュラムの開発について考える。

第5回
教育課程(カリキュラム)2ーカリキュラムの構造と類型
カリキュラムの構造とその類型を踏まえて、カリキュラム開発において、教師に求められる全体的視野とはどのようなものかを考察する。また、今後のカリキュラム開発の課題を探る。

第6回
教育課程と学習指導要領1-学習指導要領の変遷
教育課程の編成において学習指導要領は重要な規準であり、我が国の学校教育の目的等を、学校現場に浸透させる上で果たしている学習指導要領の役割は大きい。学習指導要領は、昭和22年に制定されて以来、学校を取り巻く状況に対応するためおよそ10年ごとに改訂を重ねてきた。それぞれの特徴を見ると、学習指導要領が社会の動きに影響されて変化してきたことが分かる。ここでは、簡単にこれまでの学習指導要領の変遷を学習する。

第7回
教育課程と学習指導要領2
1998(平成10)年、学習指導要領は「生きる力」をキーワードとした改訂が行われ、平成14年にはその一部が再度改訂されたのが現行の学習指導要領である。さらに2008(平成20)年には7度目の学習指導要領の改訂が行われ、それは平成24年度(中学校の場合)から実施される。ここでは現行の学習指導要領の特色と新学習指導要領の特色について学習する。

第8回
我が国の教育課程の変遷1ー明治初期の教育課程、国家主義教育課程
国の統一・近代化と富国強兵作を推し進めるため国民皆学の方針が示され、科学教育に重きを置き、明治政府の学校改革、教育近代化にかけた意気込みが伺える。その後、明治政府の教育方針は、復古的儒教主義の教育課程が重視され、修身が「百花の基」になった。教育勅語と教科書の国定化によって天皇制国家主義教育の確立が図られた。一方教育現場では、明治期に確立した画一的な注入主義の教授、管理主義の教育に対し、大正期の教育改造運動が展開された。昭和初期は、軍国主義への傾斜の過程であった教育もそれに見合う形で再編された。ここでは、明治から戦前までの教育改革の歩みについて学習する。

第9回
我が国の教育課程の変遷2ー戦後の教育課程
戦後の教育改革は、「米国教育使節団報告書」に従って進められた。戦前の中央集権的で、上意下達な画一的な教育過程の編成に変えて、児童中心、生活経験重視の教育観が主張された。その後、「基礎学力の充実」「科学技術教育の向上」のため教科の系統性重視の教育・・否両論の中で「道徳の時間」の特設、20世紀中頃には、科学技術革新の進行を背景に教育内容の現代化・地域に根ざす教育等の教育改革が進められた。ここでは戦後から現在までの教育過程改革についての概略を学習する。   

第10回
教育課程の編成原理
学校教育の目的や目標を達成するために、何をどのような順序で学べば最も効果的であるのか。学校は充実した教育実践を行うべく綿密に教育課程を編成している。ここでは、教育課程がどのような視点で編成されているかについて学習する。

第11回
学校における教育課程編成の過程
教育課程が学校でどのような課程で編成されているかを学習する。

第12回
豊かな学力形成を図る教育課程の開発
「生きる力」という概念は、平成元年の学習指導要領改訂後に出てきた「新学力観」という考え方と交差するように出てきた。新学力観は「聞き、話し、議論し、判断し実践する力(表現する力)」であり、その学力は豊かな学力とも言える。これまでの学力が「知識・理解」に偏っていたのを是正し、子ども一人ひとりの「興味・関心・意欲・態度」「思考力・表現力・判断力」をも重視したものである。ここでは豊かな学力形成を図る教育課程の開発について学習する。   

第13回
教科書と補助教材
教育課程の構成に応じて、組織的に配列された教科の主たる教材が教科書である。教科書の検定後、発行、採択及び供与はどのようになっているのか。教科書が日々の学校教育において果たす役割や機能について歴史的変遷を簡単に見るとともに、現在教科書が果たしている基本的な機能を3つの観点から説明する。併せてそれらの観点から現在の教科書の在り方について検討していく。 また、教科書の他に多く使用されている補助教材の制度についても学習する。

第14回
家庭・地域との連携に立つ学校の役割と教育課程
生きる力は、学校・家庭・地域社会の連携とそこでの学習がバランスよく行われる中で育つと言われる。すべてを学校が抱え込むという発想から脱却して、家庭・地域社会の教育力の充実を図り、それぞれの分担を明らかにするとともに、学校・家庭・地域社会の連携・協力を強化することの方策を考える。

第15回
教育課程改革の動向
現行の学習指導要領では、そのねらいとして「各学校が創意工夫を生かして特色ある教育・特色ある学校づくりを進めること」を通じて、「生きる力」や「確かな学力」を育成することを目指している。その動向について考察する。

第16回
試験
                                                                              
                                                              
                                                         

                                                 





第1回
・現代の子どもが持っている積極面 /・いじめ、不登校、校内暴力等の問題 /・子どもをめぐる環境の変化 /・ゆとりのない生活を送る子ども /・学力低下の問題 /・健康・体力の問題 ./・基本的生活習慣 

第2回
・教育目的の設定ー教育基本法 /・教育目標の具体化ー学校教育法

第3回
・中央教育審議会第一次答申 /・学校知の転換の内容 /・「学校知の転換」を求める社会的要請と期待 

第4回
・カリキュラムとは何か /・カリキュラム開発の概念 /・「学ぶことの意味」への問いー潜在的カリキュラム・顕在的カリキュラム

第5回
・カリキュラムの階層的構造 /・カリキュラムの全体構造とその類型ー全体構造、教科カリキュラム、経験カリキュラム、カリキュラムの類型 /・カリキュラム開発の課題ーカリキュラム評価の課題、カリキュラム経営の課題

第6回
・学習指導要領の法的性格 /・これまでの学習指導要領の内容と特徴ー基本方針と特徴

第7回
・現行学習指導要領の特色 /・生きる力 /・総合的な学習の時間の新設 /・再改訂ー学習指導要領の基準の弾力化 /・新学習指導要領の特色ー改訂の基本的考え方 /・国際化と知識基盤社会 /・各教科の授業時数の変化

第8回
・明治初期の教育改革と教科課程 /・復古的儒教主義の教育課程 /・教育勅語体制下の教育と教科書観 /・教育現場での教育課程改革の試み

第9回
・戦後の教育改革 /・新教育の児童中心主義 /・新教育の技術主義と形式主義 /・道徳の時間の特設とその経緯 /・系統性重視への転換 /・民間の教育課程改革の動因と実態 /・教育内容現代化の国と民間教育団体の考え方

第10回
・我が国の教育課程編成の基本的視点ー教育課程編成の法的規定(我が国の教育の目的・目標、教科区分、授業時数等) /・子どもの実態、地域の期待、親の願い /・編成の原理(学習者の発達、文化の継承・発展、社会の発達) /・教育内容選択の基準 /・教育の中立性の原則

第11回
・各学校で作成 /・各学校における教育目標の設定 /・教育課程の編成過程 /・校長にリーダーシップと教職員の協力 /・年間・学期・単元・授業計画 /・指導計画事例

第12回
・豊かな学力の3つの局面 /・豊かな学力の3つの内容ー内容知、方法知、人間知 /・豊かな学力の3つの課程ー生活課程、基礎課程、発展課程

第13回
・教科書とは /・教科書の種類 /・教科書の使用義務 /・教科書の採択 /・教科書の基本的機能ー①教科書の真実性・思想性 ②教科書の系統性 ③学び方を教える教科書 /・補助教材の扱い

第14回
・家庭の教育力の重視と人間形成 /・地域社会の教育力の重視と人間形成 /・家庭・地域社会の連携と学校の役割 /・各学校が創意工夫を生かした教育課程 /・開かれた学校運営

第15回
・特色ある学校づくりと教育課程 /・「確かな学力」を育成するための「個に応じた指導」の充実 /・「生きる力」(自己表現力)の育成と「総合的な学習の時間」
授業の運営方法
備考
学生が達成すべき到達目標
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 70
小テスト
レポート 20
成果発表
作品
その他 10
課題提出
課題提出を評価します。
合計 100