NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 国際経済政策(International Economic Policy)
担当教員名 市川 芳郎
配当学年 2 開講期 後期
必修・選択区分 経営経済学科 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件  現実の経済の動向に対しての関心があるかどうかがこの科目の理解の程度に大きく影響してきます。日々の新聞、ニュースに関心を示し、注意を払って下さい。問題意識の濃淡が理解の程度に大きく影響してきます。
受講心得  講義を受ける基本的なルール(私語をつつしむ、他の学生の迷惑となる行為を行わないなど)を遵守して下さい。出席は原則として毎回とり、点数化します。また、講義中に小テストを実施し評価に加えます。毎回プリントを配布します。
教科書  特定の教科書は使用しない。毎回講義用のプリントを配布する。
参考文献及び指定図書  (1)高橋克秀著 『グローバル・エコノミー』 東洋経済新報社 2001年
2)西野万理・丸谷怜史編『新しい経済政策論-グローバル経済下の理論と課題』有斐閣 2002年
関連科目  日本経済事情、経済政策論、日本経済論、NPO・NGO論
オフィスアワー 金曜日3時間目 
授業の目的  1990年代以降、国境を越えた経済の融合とマネーの動きは加速度を増し、予測を超える事態が次々と発生しています。グローバリゼーションへの不信と反発も急激に高まっています。しかし、われわれはこのグローバル化した経済の中でいやおうなく、これからも働き、生活していかなければなりません。本講では2つの観点からグローバル・エコノミーを検討します。第1に主にグローバリゼーションが実物経済に与える変化と、それが引き起こす従来のシステムとの葛藤を説明します。第2に経済のグローバル化のなかで急激な資本移動が引き起こす通貨金融危機や国際通貨システムの問題点などを具体的に検討します。
授業の概要 前半部では経済のグローバル化とは何かを解説します。また、経済のグローバル化が雇用、賃金、所得分配に及ぼす影響について説明します。さらに、グローバリゼーションが政府のありかたにどのような影響をもたらすかを解説します。企業行動、貿易、直接投資との関連も重要です。後半では、資本移動と通貨危機の原因を解説します。グローバル化と経済発展の関係を中国・アジア諸国の開放政策の成果として説明します。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 国際経済政策の講義を始めるに当たっての案内
講義の目的、受講心得、参考文献及び指定図書、評価方法についての全般的な説明をおこないます。授業内容についての概略を簡単に説明します。特に、世界経済の時事的なトピックについて取り上げ、受講者の生活とどのように関連しているかを明らかにすることで、科目への興味・関心を呼び起こします。
○第2回 経済のグローバリゼーションとは何か(Ⅰ)
グローバリゼーションはきわめて多義的な言葉で、経済だけでなく政治、法律、文化、規範、慣習などさまざまな分野で議論になっています。ここではグローバリゼーションと言う言葉の意味を明確にします。そして、グローバル化促進の要因を説明します。その上で、グローバリゼーションをどのように評価したらよいかをみてみます。
○第3回 経済のグローバリゼーションとは何か(Ⅱ)
前回に続いて、グローバリゼーションの興亡を労働移動と貿易、資本移動の観点から詳細に見てみます。さらに、グローバリゼーションの急激な進展に対して強く反発し、抗議する一群の人々がいます。彼らはなぜ反対しているのかを明らかにします。
○第4回 グローバリゼーションと雇用・賃金・所得分配
グローバリゼーションは先進国と開発途上国の間に緊張と相互不信を高めています。先進国の労働者は、途上国の安い製品の流入で仕事が奪われるのではないかと心配しています。一方、途上国の人々は、グローバリゼーションの果実は先進国に奪われていると批判しています。こうした考え方はどの程度、妥当なものなのかを考えてみます。
○第5回 グローバリゼーションと政府・システム・経済成長
グローバリゼーションのなかで急激に発展している国家や地域がある反面で停滞し衰退しているものもあります。国家の盛衰は各国の政府の能力と経済システムの選択と関係があります。グローバリゼーションのなかで、国家・政府という制度間の競争が起こり、それが市場における信用度の差となってあらわれる時代になったのです。経済発展と政府の役割、資本・貿易の自由化とグローバル・スタンダードについて日本と韓国の事例を説明します。
○第6回 グローバリゼーションと企業・貿易・直接投資(Ⅰ)
企業のグローバル化を国際分業の進展と貿易構造の変化の観点から説明します。日本企業のグローバル化の始まりとして、80年代後半から本格化した日本企業の対外直接投資の増大を説明します。
○第7回 グローバリゼーションと企業・貿易・直接投資(Ⅱ)
グローバリゼーションが進む一方で、北米、東アジアにおける経済活動の地域化(リージョナリゼーション)が進んでいます。その実態をみてみます。また、リージョナリゼーションの流れとグローバリゼーションとは両立するのでしょうか。さらに、自由貿易協定(FTA)へ前進する日本の動きをみてみます。
第8回前半のまとめと中間テスト
第2回から7回までのまとめを行います。中間テストを行います。テスト終了後問題の解説を行います。自筆ノート、配布プリント・資料のみ持ち込み可能です。電子式辞書は持ち込み不可です。

○第9回 グローバリゼーションと資本移動・相互依存・マクロ経済政策(Ⅰ)
先進国から開発途上国への資本移動の実態をみます。そしてこの資本移動はどのように説明することができるのでしょうか。グローバリゼーションの大きな特徴である、国際資本の自由な移動のメカニズムを説明します。
○第10回 グローバリゼーションと資本移動・相互依存・マクロ経済政策(Ⅱ)
前回に続いて、経済の相互依存の度合が強まるなかで、一国のマクロ経済政策の効果が他国に相互に波及する姿を説明します。また、さまざまな形での国際的な政策協調の必要性が強調されています。その必要性と政策協調の限界を説明します。
○第11回 グローバリゼーションと通貨制度・為替レート
通貨の発行は主権の重要な一部と考えられてきました。しかし、グローバリゼーションの急速な進展に伴って、この常識も覆りつつあります。「ドル化」や通貨同盟がその象徴です。EUの通貨統合をどのように見たらよいのかを説明します。最適通貨圏と円圏形成の可能性を検討します。固定為替相場制から変動為替相場制への変遷を見てみます。
○第12回 グローバリゼーションと通貨金融危機
アジアの通貨・金融危機をもたらした1つの原因として、ドルとリンクした為替相場制の採用があげられています。米ドルの信用を利用した「トラの威を借るキツネ」的な政策の功罪を検討します。また、通貨金融危機へのIMFの処方箋はどのように評価されるのでしょうか。詳しくみてみます。
○第13回 グローバリゼーションと中国・アジア(Ⅰ)
90年代後半にグローバル・エコノミーの主役として浮上したのが中国です。「世界の工場」「世界の市場」としての中国は世界中から直接投資を引き付け、一段と生産力を高めています。反面、日本や他のアジア諸国では、中国へ生産拠点が移動してしまう「空洞化」が深刻になっています。中国経済の発展の原因を探ります。
○第14回 グローバリゼーションと中国・アジア(Ⅱ)
前回に引き続いて、アジア経済の中長期的な成長力をどのように評価すればよいのか検討します。中国への一極集中が進むアジアで競合するASEAN諸国も勃興しています。中国の台頭でアジアの経済地図はどう変わるかをみてみます。 
○第15回 グローバリゼーションと開発援助
グローバリゼーションのなかで富める国と貧しい国、富める人と貧しい人の格差は歴史上最大になっています。先進国から開発途上国への援助は、その大きな溝を少しでも埋めようとする試みです。日本の政府開発援助(ODA)の現状と課題をみてみます。
○第16回 期末試験
論述問題及び客観形式の試験です。配布プリントと自筆のノート持ち込み可能。電子式辞書持ち込み不可。
第1回
受講心得
シラバス
第2回
配布プリント・資料
第3回
配布プリント・資料
第4回
配布プリント・資料
第5回
配布プリント・資料
第6回
配布プリント・資料
第7回
配布プリント・資料
第8回
配布プリント・資料
第9回
配布プリント・資料
第10回
配布プリント・資料
第11回
配布プリント・資料
第12回
配布プリント・資料
第13回
配布プリント・資料
第14回
配布プリント・資料
第15回
配布プリント・資料
第16回
配布プリント・資料
授業の運営方法  一コマ一回説明のペースで授業を進行する予定です。各回の内容は当該時間に配布するプリントに要約していますが、キーワードの的確な理解と全体の内容把握確実なものにするために、受講者の理解の様子を勘案しながら進めていきます。
備考
学生が達成すべき到達目標 1.経済のグローバル化がわれわれの生活に及ぼす影響、特に雇用、賃金、所得分配ーが理解できる。
2.通貨危機の原因について理解できる。
3.中国・アジア諸国の経済発展を経済のグローバル化の成果として理解できる。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 60 論述問題及び客観形式の期末試験を実施します。自筆ノート、配布プリント・資料のみ持ち込み可能です。電子式辞書は持ち込み不可です。
小テスト 40 論述問題及び客観形式の中間テストを実施します。自筆ノート、配布プリント・資料のみ持ち込み可能です。電子式辞書は持ち込み不可です。
レポート
成果発表
作品
その他
合計 100