NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 地盤工学(Geotechnical Engineering)
担当教員名 吉村 充功
配当学年 3 開講期 後期
必修・選択区分 建築コース 選択
インテリアデザインコース 選択
土木コース 必修
単位数 2
履修上の注意または履修条件 履修条件はありませんが、数学計算、物理的な考え方を多く用いるため、数学・物理関連の専門基礎科目、構造力学などの力学科目を履修しておくことが望ましい。 また、地盤は建築分野・土木分野双方にとって重要なため、どちらのコースの学生にもわかるように説明します。
受講心得 理解の手助けとするため、演習を交えながら授業を行います。そのため、関数電卓が必要です。内容や考え方を理解するには、講義だけでなく演習を含めた予習・復習をすることが、到達目標の達成につながります。
教科書 なし
参考文献及び指定図書 土質工学(コロナ社)赤木知之・吉村優治・上俊二・小堀慈久・伊東孝 著
土質工学演習-基礎編(森北出版) 河上房義 編
考え方解き方土質力学(オーム社) 近畿高校土木会 編
絵とき土質力学(オーム社) 安川郁夫・今西清志・立石義孝 共著
エクセル地盤工学入門(インデックス出版) 石田哲朗 著
関連科目 建設工学実験、スポーツ施設工学、スポーツ施設工学実習、構造力学1・2・3、橋梁工学、流体力学
オフィスアワー
授業の目的 本講義では、土、岩石の種類や物理的性質を理解するとともに、地盤内の応力分布の計算方法、人工島などで起こる地盤沈下のメカニズム(圧密)、さらに擁壁に作用する土圧、地盤の支持力について原理とあわせて計算方法を理解し、地盤の力学的特性に関する知識を習得することを目標とします。
授業の概要 構造物はそれらを地盤で支えなくてはなりません。そのため、構造物の設計・建設の際には、地盤工学の知識が必要とされます。本講義では、土の性質、物理指標の基本事項から、地盤に係る応力、圧縮・圧密の性質、土圧、支持力などの力学的性質までを網羅して、その理論と演習を組み合わせて実施します。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 土の基本的物理量
 土の基本的な物理指標について学習します。土の特性を表すために、土の組成により様々な物理量が定義されています。これらの指標について、体積、質量、密度に分けて各物理量を解説します。講義内容について演習を行います。

○第2回 集中荷重・線荷重による地盤内応力
 構造物を建設すると荷重が発生するため、地盤内の応力が増加します。そのため、増加する応力に対して地盤が破壊しないようにあらかじめ対策を施す必要があります。ここではまず小さな建物などの集中荷重が作用する場合、高速道路などの線状に荷重が作用する場合、それぞれについて学習します。講義内容について演習を行います。

○第3回 盛土荷重・長方形等分布荷重による地盤内応力
 道路盛土や河川堤防などの盛土荷重が作用する場合、高層ビルなど長方形状の荷重が作用する場合について、これらの荷重により発生する地盤内の応力を学習します。講義内容について演習を行います。

○第4回 主応力とモールの応力円
 構造物を建設する際には、地盤内の任意方向の応力を求め、最大・最小の応力を求めておく必要があります。この応力を主応力といいます。また、地盤内の任意方向の応力を簡単に求める方法として、モールの応力円があります。ここでは、主応力の概念、モールの応力円について学習し、作図方法を修得します。講義内容について演習を行います。

○第5回 土の圧縮と圧密、圧縮特性
 盛土や土木構造物により、粘性土地盤は長期間に渡り沈下し続ける現象が生じます。このような圧縮現象は、時間に依存し圧密と呼ばれます。まず、土の圧密現象のメカニズムについて概略を学習します。また、土の圧縮性を表すために様々な指標が定義されています。これらの指標の意味を解説するとともに、土の圧縮特性について概略を学習します。講義内容について演習を行います。

○第6回 圧密沈下量・圧密沈下時間の算定法
 圧密沈下量などを求める際に必要な圧密係数などの決定方法について学習します。次に、圧密試験より求まる指標を用いて、圧密沈下量、圧密沈下時間を算定する方法を習得します。講義内容について演習を行います。

○第7回 土のせん断強さ、ダイレイタンシー、飽和砂の液状化
 土のせん断強さは、土圧、支持力、斜面安定などの問題を考える際に重要な概念です。ここでは、土のせん断強さについて概略を説明するとともに、せん断変形に伴う体積変化であるダイレイタンシーの関係を概説します。また、土の動的挙動について学習し、地震などの繰り返し荷重によって発生する飽和砂の液状化現象について、そのメカニズムを学習します。講義内容について演習を行います。

○第8回 前半のおさらい、中間テスト
 第1回~第7回の授業内容についておさらいをします。その後テストを行います。試験時間は60分です。

○第9回 土圧の種類と定義、ランキン土圧(1)
 地中構造物や擁壁には、水平方向や鉛直方向から土圧が作用します。ここでは、土圧に関する用語の定義を行い、土圧の種類を学習します。また、地中構造物や擁壁に作用する土圧を求める手法として、ランキンの土圧理論の考え方を概説し、土圧係数、モールの応力円と土圧応力の関係を学習します。講義内容について演習を行います。

○第10回 ランキン土圧(2)
 第9回の講義に引き続き、ランキンの土圧理論を用いて、擁壁等の構造物に作用する土圧を実際に求めます。ここでは、ランキン土圧の分布、大きさ、作用位置などを求める方法を習得します。講義内容について演習を行います。

○第11回 クーロン土圧
 土圧を求める別の方法としてクーロンの土圧理論があります。ランキンの土圧理論との違いを概説し、クーロン土圧を求める方法を習得します。講義内容について演習を行います。

○第12回 地盤の支持力、基礎の種類、浅い基礎の支持力
 軟弱な地盤に過大な重量の構造物を築造するとき、地盤が破壊されるのを防ぐために構造物基礎が設置され、地盤の支持力を強化します。ここでは、地盤の支持力の概念と、構造物基礎の種類を学習します。また、根の浅い基礎の地盤の支持力を求める方法を習得します。講義内容について演習を行います。

○第13回 深い基礎の支持力
 根の深い基礎の場合の地盤の支持力を求める方法を習得します。静力学支持力式より求める方法の概説を行い、杭先端の支持力、杭周面の摩擦抵抗力を求めます。講義内容について演習を行います。

○第14回 斜面崩壊の形態、安定性の評価方法、直線状の滑りに対する安定計算
 自然斜面や切土斜面など様々な斜面が存在しますが、これらの地盤は平地に比べて、不安定な場合が多くあります。ここでは、斜面の破壊形態の種類を概説し、斜面の安定性を評価するための方法について説明します。また、半無限に続く斜面の滑りに対する安定計算の方法を習得します。講義内容について演習を行います。

○第15回 円弧状の滑りに対する安定計算
 盛土の法面など円弧状の滑りに対する安定計算の方法を習得します。ここでは、土塊を鉛直なスライスに分割し安定性を計算する分割法の手順を説明します。講義内容について演習を行います。

○第16回 期末テスト
 授業内容についてテストを行います。 試験時間は80分です。
毎回課題を課します。
授業の運営方法 講義形式ですが、演習などにより学生諸君との対話を多く取り入れます。
備考
学生が達成すべき到達目標 ・土、岩石の種類や物理的性質を理解すること
・地盤内の応力分布の計算ができること
・地盤沈下のメカニズム(圧密)を理解すること
・擁壁に作用する土圧、地盤の支持力、地盤崩壊について原理の理解と計算ができること
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 58 中間試験(20点)及び期末試験(38点)を実施します。
小テスト
レポート 42
成果発表
作品
その他
合計 100