NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 構造力学4(Structural Mechanics 4)
担当教員名 石田 孝一
配当学年 2 開講期 後期
必修・選択区分 全コース 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件  静定構造の理解が不可欠なので、構造力学1及び2を履修していることが望ましい。
固定法はたわみ角法が基になるので、構造力学3を履修していることが望ましい。
受講心得  計算用具持参のこと。
欠席した学生は課題の回答またはレポートを提出することができません。
教科書 最新建築構造設計入門 和田 章 監修   実教出版
参考文献及び指定図書 建築構造力学演習 谷 資信他共著 (影国社)
関連科目 材料力学,構造力学1、2、3 建築材料実験
オフィスアワー
授業の目的  構造力学3では、主としてたわみ角法を講義しますが、本講義では、最初に実用計算法である固定(モーメント)法を説明します。様々な構造パターンを固定法で解く計算手順を修得することを目的とします。次いで、静定トラスの応力計算法の一つであるクレモナの図解法を復習し、不静定トラスの応力計算法を説明します。次いで、水平荷重に対する略算法である修正ポータル法を説明し、最後に保有水平耐力計算法の一つである節点振分法を説明します。
授業の概要 前半は、固定法を説明します。その後クレモナの図解法を復習した後、不静定トラスの応力を求めます。最後に、節点振分法を説明し、ラーメンの保有水平耐力を求めます。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 概要説明
本講義で行う授業内容(固定モーメント法、不静定トラスの応力計算、略算法の修正ポータル法、節点振分法)の概要を説明します。授業の進め方、評価の方法を説明します。構造力学3で説明したたわみ角法の基本式を復習し、固定(モーメント)法の基本原理を説明します。授業内容について課題を出します。

○第2回 固定(モーメント)法1 固定端モーメント(FEM)、不釣合モーメント
固定(モーメント)法の基本原理を説明します。全ての節点を固定とみなしたときの材端モーメントを固定端モーメントといい、FEMと表わします。このFEMはたわみ角法における荷重項に相当するものであり、それを求める計算式を説明します。各節点においてFEMの合計が不釣合モーメントです。この不釣合モーメントの逆符号のモーメントをその節点に作用させれば一時的にモーメントの釣合が取れます。このモーメントを解放モーメントと呼びます。授業内容について課題を出します。

○第3回 固定(モーメント)法2 分割率、分割モーメント、到達モーメント
解放モーメントはその節点に集まる材に分担されることになりますが、その分担の割合を分割率(DF)といいます。分割されたモーメントを分割モーメントと呼び、他端に流れる分割モーメントの1/2を、到達モーメントと呼びます。授業内容について課題を出します。

○第4回 固定(モーメント)法3 図上計算
例題を用いて、具体的に固定モーメント法の図上計算を説明します。ワークシートの作成法、及び部材データを入れる箇所の約束事を説明します。最初に、DFを求めます。次いで、FEMを求め、その合計として、不釣合モーメントを計算します。分割モーメント、到達モーメントの能率的な計算手順を説明します。授業内容について課題を出します。

○第5回 固定(モーメント)法における他端ピン支持、対称変形材の取扱い
他端ピン支持の場合の対処法を、たわみ角法基本式を用いて説明します。対称変形材の取扱いについてもたわみ角法基本式を用いて説明します。種々の構造を解く場合、荷重項と有効剛比について理解しておくことが重要です。最後に、特殊なケースについて、有効剛比と到達率を一覧表にまとめて説明します。授業内容について課題を出します。

○第6回 固定(モーメント)法による連続梁の解法
幾つかの演習問題で、連続梁の解法を行ないます。前半は、パターンの異なる連続梁2題を説明します。有効剛比を用いる場合の説明、その時の到達率の説明を行ないます。効率よく計算を進める手順を理解することが大切です。曲げモーメント図の描き方についても復習します。授業内容について課題を出します。

○第7回 対称性を有する奇数スパンラーメンの解法
対称性を有する奇数スパンラーメンの解法を、例題を用いて説明します。対称変形材の取扱いについて、具体的に説明します。効率よく計算を進める手順を理解することが大切です。曲げモーメント図の描き方についても復習します。授業内容について課題を出します。

○第8回 対称性を有する偶数スパンラーメンの解法
対称性を有する偶数スパンラーメンの解法を、例題を用いて説明します。変形状態を説明し、対称軸上の節点の取扱いについて具体的に説明します。効率よく計算を進める手順を理解することが大切です。曲げモーメント図の描き方についても復習します。授業内容について課題を出します。

○第9回 水平荷重を受けるラーメンの解法
逆対称性を有するラーメンの解法を、例題を用いて説明します。変形状態を説明し、逆対称変形材の取扱いについて説明します。せん断力の釣り合いを理解します。授業内容について課題を出します。

○第10回 クレモナの図解法
最終的には、不静定トラスの応力を求めることが目的です。不静定トラスの応力を求めるためには静定トラスの変形量を求めることが必要であり、静定トラスの変形を求めるためには、静定トラスの全部材の応力を求める必要があります。そのための最も有効な計算法がクレモナの図解法です。ここでは、クレモナの図解法を復習します。授業内容について課題を出します。

○第11回 静定トラスの変形
仮想仕事の原理を説明し、仮想仕事の原理を用いた静定トラスの変形量を求める例題を説明します。外力による応力、仮想力による応力の求め方を説明します。仮想力は変形を求めたい節点に、求めたい方向に、単位の力をかけます。ワークシートを用いた効率良い計算手順を説明します。授業内容について課題を出します。

○第12回 不静定トラスの応力
静定基本形について説明します。不静定トラスには力の釣合条件式数以上の反力が存在しますが、その幾つかを取り除くと静定基本形が得られます。そして、取り除いた反力を余力といいます。余力=1と仮定して、変形量を求め、変形の釣合条件式から真の余力を求め、不静定トラスの応力を求めます。授業内容について課題を出します。

○第13回 修正ポータル法
水平力を受けるラーメンの略算法である 修正ポータル法を紹介します。構造設計2で説明するD値法の基礎となる解法です。横力分布係数の意味を理解するとともに、演習問題を通して解法を理解します。授業内容について課題を出します。

○第14回 節点振分法 その1
保有水平耐力を求める略算法の一つである節点振分法について説明します。降伏曲げモーメント及び塑性ヒンジについて説明します。節点でのモーメントの釣り合いによる塑性ヒンジ発生を理解します。授業内容について課題を出します。

○第15回 節点振分法 その2
2層2スパン~3層3スパン程度の規模のラーメンについて節点振分法を用いて保有水平耐力を求めます。塑性ヒンジ発生順について理解します。授業内容について課題を出します。

○第16回 期末試験
 計算が主体の試験になるので、試験時間は80分とします。
計算用具(電卓、ポケコン)は持込可です。










第1回
教科書p148
資料配布
予習90分 課題90分
第2回
教科書p149
資料配布
予習90分 課題90分
第3回
教科書p149~150
資料配布
予習90分 課題90分
第4回
教科書p150~151
資料配布
予習90分 課題90分
第5回
教科書p150
資料配布
予習90分 課題90分
第6回
資料配布
予習90分 課題90分
第7回
教科書p150~151
資料配布
予習90分 課題90分
第8回
資料配布
予習90分 課題90分
第9回
資料配布
予習90分 課題90分
第10回
教科書p85~86
資料配布
予習90分 課題90分
第11回
資料配布
予習90分 課題90分
第12回
資料配布
予習90分 課題90分
第13回
資料配布
予習90分 課題90分
第14回
資料配布
予習90分 課題90分
第15回
資料配布
予習90分 課題90分
授業の運営方法 通常教室での座学。
毎回授業内容に関する演習課題を課します。期限までに提出して下さい。
備考
学生が達成すべき到達目標 固定法の原理を理解し、計算手順を習得する。
クレモナの図解法を理解し、静定トラスの応力を求めることが出来る。
仮想仕事の原理を理解し、不静定トラスの応力を求めることが出来る。
塑性ヒンジを理解し、節点振分法で保有水平耐力が求められること。

評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 55 毎回の講義の要点を理解できているかを確認します。計算問題は、正解するだけでなく、解答に至る過程も重視します。
小テスト
レポート 30
成果発表
作品
その他 15 授業に欠席したり、遅刻・早退せずに、意欲的に取り組んだ場合、評価の対象とします。
合計 100