NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 河川海洋環境工学
担当教員名 池畑 義人
配当学年 2 開講期 後期
必修・選択区分 建築コース 選択
住居・インテリアコース 選択
土木コース 必修
単位数 2
履修上の注意または履修条件  関連科目もしっかり受講することにより、理解が一層深まります。
受講心得  専用のノート、筆記用具、配布済みのプリント類を必ず持参して下さい。
教科書 無し(プリント教材、スライド、ビデオ、写真などによる
参考文献及び指定図書 海岸工学入門  酒井哲郎著  (森北出版)
海岸工学    服部昌太郎著 (朝倉書店)
関連科目 環境計画
環境水理学
水文学
流体力学
オフィスアワー
授業の目的 1.河川と海洋の整備に関する法律を理解する
2.河川と海洋の成り立ちについて理解する
3.河川の流れに関する力学的な知識を得る
4.海洋の波と流れに関する力学的な知識を得る
授業の概要
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 概論
まず、受講生に、海洋の環境問題として、どのような種類が有るかを問い掛け、その上で、授業で取り上げる海洋環境問題及び成績評価の方針を説明します。また、身近な例として海岸侵食の実例を挙げて、解説します。

○第2回 水質汚染の現状と干潟・藻場の役割
近年では幾分海洋の水質環境が改善しているとの報告が聞かれますが、赤潮は毎年各地で相変わらず発生していま す。わが国の沿岸域では、干潟や藻場が多く点在しています。干潟や藻場は、多様な生物の生息空間であるとともに水質浄化の機能を有します。授業では、水質汚染の現状、原因、対策及び干潟、藻場の役割を解説します。

○第3回 海面上昇の影響と対策
海洋に対する地球の温暖化の影響は、端的に海面の上昇となって顕在化します。また、台風の大型化とそれに伴う高波・高潮災害の増加などが考えられ、水没の危険に晒されている国もあります。授業では、海面上昇が沿岸域に与える影響と対策を学生各人との質疑応答により考えます。

○第4回 海岸法
我が国の海岸制度は1956(昭和31年)の海岸法の制定により海岸管理が開始されました。その目的は、海岸災害から海岸背後地の多くの人命や資産を防護することでした。その海岸法が43年後の1999(平成11年)に一部改正されました。授業では、その背景及び内容について説明すると共に、海岸管理の有り方にも考えます。

○第5回 沿岸の波と流れ
海岸災害のほとんどは、海に存在する波に起因します。沿岸海域には、風や密度による海流、潮汐による潮流、波の屈折・反射・回折及び砕波等の種々の水理現象が見られます。波による沿岸流は漂砂移動をもたらし、海岸侵食等の問題を起こします。河口部では密度流や河口閉塞等の現象があります。これらの諸現象について説明します。

○第6回 河川の働きと関連用語
 河川とはどの様にして形成され、文明と関わってきたのかを学生各人に問い、確認します。そのことから、人間に対する河の働きとして、治水、利水及び自然の3つの機能を持つことを理解します。また、河道や河川の断面に用いられている多くの関連用語と定義を説明します。
 
○第7回 河川法とその改正
 河川は、その重要性の故に公共の存在として利用されるべきですし、これに反する行為は制限する必要があります。わが国の河川法は、明治29年(1896 年)(旧河川法)、昭和39年(1964年)(現河川法)及び平成9年(1997年)(一部改正)に作られています。ここでは、その内容を説明します。

○第8回 河川工事と河川技術史
 河川工事は、河川の流量が多い時も少い時も安定した状態を保ち、また、農業、工業、交通等の利用のために行われます。ここでは、それらの種類及び歴史上残されている河川技術の発展について振り返り、共に考えます。

○第9回 河川の水位
 河川の水位は気象現象による降水ばかりでなく、河川改修や水利用により常時変化しています。河の水位としては、河川計画、維持管理、発電水力及び洪水予報上等多くの定義が用いられています。ここではそれらを説明します。

○第10回 河川の流出量
 一定期間に流域から河川のある地点に流れ出す水量の総和を、その地点の流出量または流量と呼びます。流出高は流出量を上流の流域面積で割った値を言います。ここでは、流出係数、水年、比流量及び河状係数等を説明します。

○第11回 洪水流出解析(ハイドログラフ)
 河川のある地点において、その断面の流量または水位の時間的変化を観測し、縦軸に流量または水位、横軸に時間を取り図示したものをハイドログラフと言います。ここでは洪水時のハイドログラフの特徴を、多くの用語の解説をしつつ説明します。とくに、増水部・減水部と降雨特性及び地文的特性との関係を学生各人に問い、共に考えます。

○第12回 単位図法、流出関数法、洪水追跡法
 洪水時のハイドログラフを作成するには、洪水が予想される様な大雨時に、目的地点での流量観測を行うことが必要ですが、流量を観測する労力は容易ではありません。そこで、開発された実用的方法として単位図法、流出関数法、洪水追跡法等です。ここでは、それらの方法を説明します。また、例題を用いて理解を深めます。

○第13回 河川調査、河川計画
 河川の改修や治水・利水のための計画を行う場合、その基礎となる事項についての調査が必要です。また、一般河川計画には治水計画と利水計画があります。ここでは、河川調査として測量、河状、水文水理、内水及び経済に関する調査を、治水計画として洪水処理計画と砂防計画、利水計画として総合開発計画等を説明し、質疑を通して理解を深めます。

○第14回 多自然河づくりによる環境との共生
 近年になって、なるべく自然と生態系を残し、自然の材料を用い、自然の景観に沿って、そしてなおかつ洪水や渇水にも強い河川工法、すなわち多自然型河川工法を取り入れた河川整備が多く試みられています。ここでは、ビデオ「多自然型河川工法」を鑑賞し、21世紀の河川整備の有り方について学生各人に問い、考えます。

○第15回 総括
 講義全体についての総括を実施します。

○第16回 期末試験
予習レポート(30分)
復習課題(60分)
授業の運営方法  配布プリントや筆記による説明、ビデオやスライドの視聴を通して、海洋環境への理解と関心を深めます。
備考
学生が達成すべき到達目標 ・河川と海洋を管理する法律について理解する
・海洋の波と流れの仕組みを理解する
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 60 主に海の波と流れの力学についての試験内容です。
小テスト 15 毎回の講義の内容について小テストを実施します。
レポート 25
成果発表
作品
その他
合計 100