NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 情報処理・CALS/EC(CALS/EC and information processing)
担当教員名 池畑 義人
配当学年 2 開講期 前期
必修・選択区分 建築学科 建築コース 選択
建築学科 住居・インテリアコース 選択
建築学科 土木コース 必修
単位数 2
履修上の注意または履修条件
受講心得 講義中の私語は厳禁です。
教科書 木村・小澤・松永・橋本共著
図解コンピュータ概論―ハードウェア―
オーム社出版局
{http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=4-274-13297-8}
参考文献及び指定図書
関連科目 情報リテラシー1
情報リテラシー2
CAD1
建設情報マネジメント演習
オフィスアワー
授業の目的  現在の公共工事では,コンピュータのネットワークを利用したCALS/ECを使用した入札形態が主流となっています.このため,公共工事の発注者(国,県,市町村)と受注者(建設会社,建設コンサルタント)の双方にとって,CALS/ECの知識は欠かすことのできないものとなっています.この講義では,公共事業における入札の仕組みを理解して,実際のCALS/ECがどのようなシステムで構成されているのかを体験します.その後, CALS/ECを利用するための基礎的な知識である,インターネットの情報伝送技術や電子認証システムについて学習します.
 この講義を受講することによって,公共事業の発注と受注の流れを理解し,公務員や建設業の若手技術者に求められる情報処理技術を身につけることができます.また,公務員では発注,建設会社では受注の業務を一通りこなせる能力を身に付けることを目標とします.
授業の概要 公共事業の仕組み
電子入札と電子納品
コンピュータの仕組み
コンピュータ内部で行われている計算
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 CALS/ECの説明
CALS/ECとは,一体どのようなものなのかを解説します.また,今後の講義の内容に関しても説明します.

○第2回 公共事業の流れ
公共事業は、税金を使用して実施されます。そのために、値段の決め方が通常の商取引とは異なります。この講義では、公共事業に関する工事は誰が注文して,その注文を誰が受けるのかを理解するために,建設業界の組織について説明します。

○第3回 公共事業の発注と受注
前回の講義で,公共事業のの財源がどのように確保され,発注者と受注者が誰なのかを理解しました.この講義では,発注者と受注者がどのような手段で公共事業の値段を決めていくのかを学習して、公共事業の流れを理解します。また,最近では,公共事業に関する談合の話題が絶えません.しかし,談合をすることによって『誰が,どのような得をするのか』ということは曖昧になりがちです.この講義では談合の仕組みについて解説し,談合が行われることに対する弊害を理解します.

○第4回 CALS/ECのしくみ
前回の講義で,現在の公共事業のシステムには,いくつかの問題があることがわかりました.このような問題を解消して,その上で入札コストも引き下げるために導入されるのがCALS/ECです.この講義では,コンピュータネットワークを利用したCALS/ECの仕組みを学習します.

○第5回 公共事業におけるCALS/ECの利用
前回の講義紹介したように,不正な入札を抑止するためにCALS/ECを導入する自治体が増えています.また,CALS/ECの導入によって,入札のコストを非常に低く抑えることが可能となり,税金を有効に活用できます.この講義では,CALS/ECの利点を紹介して,その内容を解説します.

○第6回 CALS/ECに関する問題
前回は,CALS/ECの利点について解説しましたが,CALS/ECを利用するにあたっては,気をつけなければならない問題点がいくつかあります.その中でも「他人へのなりすまし」や「他人のデータの改竄(かいざん)」は.CALS/ECのシステムの根幹を揺るがす大きな問題となります.この講義では,このようなCALS/ECに関する諸問題とその問題に対する対応策について解説します.
ここまでの内容について小テストを実施します。

○第7回 計算機の数の表現(2進数と8進数、16進数)
これまで,公共事業におけるCALS/ECの重要性について学びました.これ以降は,CALS/ECにとって欠かすことのできない,コンピュータのハードウェアとソフトウェアについて学びます.
スイッチのon、offで表現できる2進数は、コンピュータの処理で用いるのに便利なので、現在のコンピュータの内部では、0と1のみの数で構成される2進数を使った処理が行われています。また、2の3乗と4乗で表現できる8進数と16進数もコンピュータの処理でよく用いられます。この講義では、コンピュータで2進数、8進数、16進数が使われる意味について解説し、私たちが日常使用している10進数の自然数を2進数、8進数、16進数に変換する方法について学習します。

○第8回 基数の変換
コンピュータでは、整数だけではなく小数まで計算できなくてはなりません。また、前回の講義でも示したようにコンピュータ内の演算を考えるときには、2進数だけではなく8進数や16進数も考えなくてはならないので、2進数を8進数や16進数への変換することが要求されることも多々あります。このときには、一度10進数を経由するよりも直接8進数や16進数へ変換する計算のほうが簡単です。この講義では、このような小数の表現と2進数から進数、16進数への変換方法について解説します。

○第9回 負の数の表現と加減算
コンピュータを使って負の数を考える方法はいくつかあります。最も簡単な方法は、私たちが普段の計算でしているように符号を考える方法ですが、これでは符号によって計算方法を変えなければならず、計算の手間が増えます。そこで、補数とよばれる考え方を導入します。負の数を補数に変換すれば、後は全て足し算の処理で計算が可能になります。この講義では、コンピュータ内部の負の数の計算方法と補数の考え方について解説します。

○第10回 浮動小数点数
10 進数の数字をそのまま2進数に変換するよりも、例えば354=3.54×10^2と考えて3.54を仮数部、10の肩に乗っている2を指数部と分けて考えると、限られた記憶容量でより多くの桁数の数字を記憶することができます。このような数値の表現方法を浮動小数点といいます。この講義では、数値を浮動小数点表示した場合の利点とその性質について説明し、浮動小数点表示で最もよく用いられているIEEE規格について解説します。

○第11回 データ表現の長所と問題点
第7回の講義で、コンピュータ内部の演算に2進数を使うことの利点について解説した。ここでは、その話をさらに進めて、数式によって2進数が有利な点を検証します。また、2進数を使うときに注意しなくてはならないことなどについても併せて解説を行います。

○第12回 ソフトウェアの種類
一般的にソフトウェアと言うと、ワードプロセッサソフトや表計算ソフトなどの応用ソフトウェアのことを指しますが、それ以外にも、応用ソフトを開発するためのプログラム言語やコンピュータへの入出力を制御するためのオペレーティングシステム(OS)などコンピュータを使用する上で重要なソフトウェアは数多くあります。この講義では、このようなソフトウェアの種類とその用途について解説します。

○第13回 ファイルとデータベース
建設作業の設計、施工、管理などでは以前の建設工事に関する記録を保存したり、顧客や関連会社のデータを保存したりしています。データベースを使用すると、このようなファイルを効率よく閲覧することができます。この講義では、データベースの原理と用途について説明します。また、データベースを使用する際には、目的とするデータにすばやく到達できることが要求されます。この講義では、データベースにデータを記録する方式について解説を行い、データベースの設計法についても説明します。

○第14回 通信ネットワーク
現在のコンピュータは、ほとんどがネットワークに接続されて、他のコンピュータと連携して動作しています。この講義では、コンピュータのネットワークの歴史について紹介し、コンピュータネットワークを使用することによって便利になったことと浮かび上がってきた問題点を紹介します。
また、コンピュータネットワークを実現するためには、TCP/IPなどの多くの方式があり、様々な技術が盛り込まれています。この講義では、ネットワークを構築するための技術についても解説します。
 
○第15回 総合演習
 これまでの内容の演習を実施します。

○第16回 期末試験
 全体を総括した期末試験を実施します。
(予習)
教科書の該当部分を読んでくる
120分

(復習)
演習問題の解答
120分
授業の運営方法 板書とプレゼンテーションソフトを用いた講義です。
備考
学生が達成すべき到達目標 ・公共事業の入札,納品の仕組みを理解する
・電子入札,電子納品を導入する意味を理解する
・電子入札・電子納品の仕組みを理解する
・コンピュータのハードウェアの仕組みを理解する
・2進数,8進数,16進数の計算ができるようになる
・コンピュータ内部で行われている計算の仕組みを理解する
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 60 7回目以降の内容に関して試験を実施します。
小テスト 20 1~6回目の内容について理解度を確認します。
レポート 20
成果発表
作品
その他
合計 100