NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 社会福祉援助技術論1B(Social Work Methodology 1B)
担当教員名 小桐 修
配当学年 2 開講期 後期
必修・選択区分 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件 この科目は社会福祉援助技術論ⅠAの単位を取得した学生のみが履修することが出来ます。また、経営福祉コース所属の学生で福祉関連資格の取得を目指す学生にとっては必ず単位をとらなければならない科目に指定されています。もちろん、経営福祉コース以外のコースに所属している学生も履修することが出来ますが、この科目は福祉コースの専門科目ですので、その他のコースに所属する学生にとってはいささかレベルの高い内容に感じるかもしれません。留意して履修登録をしてください。
 尚、出席率が70%に満たない者は評価対象者とはみなしませんので、注意してください
受講心得 私語を慎むこと、居眠りをしないこと、目にあまる場合は退室を命じます。課題レポートは提出期限を守ること、期限をすぎた場合は受理いたしません。 
教科書 福祉士養成講座編集委員会監修『社会福祉援助技術論Ⅰ』(中央法規) 
参考文献及び指定図書 都度紹介する。
関連科目
オフィスアワー
授業の目的  社会福祉援助技術論ⅠBでは社会福祉援助技術論ⅠAで学んだことをベースにしながらケースワーク技法(個別援助技術)の習得を図ります。内容的には、人権尊重、権利擁護、自立支援、エンパワーメントなどの観点を踏まえ、対人援助サービスの基本となるコミュニケーションや円滑な人間関係形成を図るための視点、価値観・人間観などに力点を置き、援助を必要とする人とどのように関わることが望ましいかを検討しながらさまざまなケースワークアプローチの方法を学びます。
授業の概要 前半では、社会福祉援助技術ⅠAについて学んだ個別援助技術(ケースワーク)についての各理論について深めます。診断主義・機能主義・問題解決アプローチ・行動変容アプローチ等をとりあげ、各理論の特徴や実践場面への適用について解説します。後半では、個別援助技術(ケースワーク)のプロセスについて諸分野の事例により説明します。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 オリエンテーション
 受講心得ならびに履修条件などを再確認します。その上で、前期の講義のポイントであるソーシャルワークの価値・倫理をはじめ、バイスティックの7原則についての復習を行います。

○第2回 社会福祉援助技術の主要理論:リッチモンドの社会診断
 個別援助技術の語源であるケースワークという言葉を最初に用い、その著「社会診断論」を通じて社会福祉援助技術の専門化に偉大な貢献をしたリッチモンドについて学びます。

○第3回 社会福祉援助技術の主要理論:診断主義(1)
 リッチモンドの社会診断の流れを引きながらも、フロイトの精神分析学の概念を取り入れて個別援助技術の基礎理論を確立した診断学派について学びます。
 診断学派の特徴としては、サービス利用者の抱える問題の心理的側面、パーソナリティー理論に基づく生育歴の重視、面接を中心とした長期的援助、援助関係における援助者の主導性、調査・診断・治療のプロセスを重視する点にあります。

○第4回 社会福祉援助技術の主要理論:診断主義(2)
 前回に引き続き、診断学派の考え方について学びます。

○第5回 社会福祉援助技術の主要理論:機能主義(1)
 ランクの意志心理学を基礎とし、診断主義アプローチに厳しい批判を向けながら個別援助技術の基礎理論を確立した機能主義アプローチについて学びます。
 機能主義アプローチの特徴は、疾病主義よりも成長主義、治療よりも援助、機関の機能の枠に沿った援助、援助者中心よりも利用者中心、開始・中間・終結の時間的展開を重視する点にあります。

○第6回 社会福祉援助技術の主要理論:機能主義(2)
 前回に引き続き機能主義アプローチについて学びます。

○第7回 社会福祉援助技術の主要理論:問題解決アプローチ(1)
 個別援助技術が余りにも個人の心理的側面に偏りがちであるということと、もっと個人と社会環境に目を向けるべきであるという認識から、自我心理学や役割理論を取り入れた問題解決モデルが登場しました。
 その特徴についてパールマンは、「困難は病理ではない。問題解決の主体者は利用者である。社会的役割葛藤の問題を重視。Person・Problem・Place・Process という4つの構成要素」を挙げています。
 ここではそのパールマンの理論を中心に学んでみたいと思います。

○第8回 社会福祉援助技術の主要理論:問題解決アプローチ(2)
 前回に引き続き問題解決アプローチについて学びます。

○第9回 社会福祉援助技術の主要理論:行動変容アプローチ
 これまでのアプローチが精神面にウエイトを置いたアプローチであるがために、援助による効果測定が難しく、利用者のモティベーションを維持することが困難でしたが、パブロフやスキナーによって打ち立てられた学習理論を個別援助技術に適用することで、行動目標も具体化させることが出来、変化も数量化することが出来るようになり、利用者のモティベーションを維持することが可能となりました。
 ここでは、学習理論について概要を説明した後、どのように個別援助技術に適用するかについて学びます。 

○第10回 社会福祉援助技術の主要理論:課題中心アプローチ
 行動変容アプローチと同様、利用者の抱える問題を短期に処遇することによって効果を上げることにポイントを置き、計画的に実施するための理論と手続きを、実践的なデーターの分析を基にして編み出されたのが課題中心的アプローチです。
 ここでは、特徴的な視点について学ぶことにします。

○第11回 社会福祉援助技術の主要理論:危機援助法
 危機に直面し情緒的に混乱している人に積極的、かつ直截的に介入することによって、できるだけ早くその状態から脱出できるように援助するために編み出されたものが危機援助法です。ここでは、伝統的な個別援助法との相違点、危機の特質と危機回復過程について学びます。

○第12回 社会福祉援助技術の主要理論:エコロジカル・アプローチ
 診断学派をはじめこれまで学んできましたアプローチは、個人に焦点が向けられ、環境の占める力は背後に押しやられてきましたが、長い実践の積み重ねを通じて「クライエント」に対するとらえ方をもっと拡大する必要性とケースワーカーの役割の拡大に伴う援助技法・原則の拡大の必要性が生じてきました。
 ここでは、主要モデルであるライフモデルを個別援助技術に取り入れる際の特徴や基本的な考え方について学ぶとともに、実践方法について検討します。

○第13回 ソーシャルワークのプロセス(1)
 この回と次回はソーシャルワークを進めていく上で不可欠な要素について学びますが、この回ではプロセスと記録について取り上げます。ソーシャルワークを進めていく際にはプロセスを踏みはずことはできませんし、記録を欠かすことも出来ません。つまり、個別援助を行っていく上でプロセスと記録は一心同体の関係にあるほど重要なものなのです。
 ここでは、どのようなプロセスを踏まなければならないのか、記録にはどのような情報を記載しなければならないのか、そのためにはどのような情報が重要で、どのように聞き出さなければならないのかについて学びます。
 
○第14回 ソーシャルワークのプロセス(2)
 前回に引き続き不可欠な要素について学びますが、ここではアセスメントとプランニングについて取り上げます。
 アセスメントとはケースワークプロセスを進める前に行う評価(事前評価)を指し、その結果で介入方法や目標の修正すべき点が明らかとなります。その意味でもよい効果を上げるためには必ずアセスメントを繰り返し行う必要があります。その結果、到達した結果についてエヴァリュエーション(事後評価)をすることになります。
 ここでは、アセスメントからプランニング~介入に至る過程について学びます。

○第15回

ソーシャルワークのプロセス(3)
前回に引き続き不可欠な要素について学びますが、ここではモニタリング(途中評価)とエヴァリュエーション(事後評価)について取り上げます。
モニタリングとはケースワークプロセスを進めている途中に行う評価を指し、その結果で介入方法や目標の修正すべき点が明らかとなります。その意味でもよい効果を上げるためには必ずこの過程を繰り返し行う必要があります。その結果、到達した結果についてエヴァリュエーション(事後評価)をすることになります。
ここでは、モニタリングとエバリュエーションのもつ実践的な違いと効果的に評価するための計画法について学びます。

第16回
定期試験



 
第12回
レポート課題

第13回
小テスト
授業の運営方法 基本的にはテキストにそって講義形式で行いますが、適宜、事例を用いた演習を取り入れます。
備考
学生が達成すべき到達目標 ①個別援助技法(ケースワーク)の発展過程について理解する。
②個別援助技法(ケースワーク)プロセスについて理解する。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 60 各回の授業の要点を理解できているかを確認します。
小テスト 10 授業を通して問題意識を持って臨んでいるかどうかを確認します。
レポート 30
成果発表
作品
その他
合計 100