NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 森里海連環学と地球的課題(The earth system and linkage of forest, human and coastal ecosystem)
担当教員名 池畑 義人
配当学年 1 開講期 後期
必修・選択区分 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件
受講心得
教科書
参考文献及び指定図書
関連科目
オフィスアワー
授業の目的 わが国には,里山・里海という,人間と自然が共生する生活がありました.しかし,高度成長期の時代には,里山や里海のことは忘れ去られ,自然の荒廃が進みました.その後,自然環境の修復・再生に関する技術開発に多くの人材と費用が費やされました.しかし,その手法は山と川と海のつながりを無視したものでした.
人が住んでいる土地の海の環境は,その源である川と山(森と里)の環境を修復しないと再生しないのです.そうした反省を踏まえて,山と川と海のつながりを重視する,森里海連環学という新しい学問が産まれました.
この講義では,全地球的な視点から環境問題をとらえ,そのなかで森と里と海がどのようにつながっているかを理解し,各受講生それぞれが専門科目を受講する中で環境問題を考えるための材料を提供します.
授業の概要 初回の講義から8回目の講義では,森里海とその周辺の課題を理解するための基礎的な知識を学習します.10回目以降の7回の講義では,森里海に関係する専門知識を有する学内外の講師を招き,それぞれの立場から森と地域,海のつながりについての講義をお願いしています.1~8回目の講義は,学外の講師の講義を理解するために必要な知識を習得するために実施しています.9回目の講義では,10回目以降の講義の内容が理解できる水準に達しているかどうかを見極めるために試験を実施します.
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
① 森里海連環学とは?
この講義の進め方を解説するとともに,森里海連環学についても説明をする.

② 水質の基礎知識
私たちが使っている水は,どこからやってくるのだろうか?この疑問を解決するために,水を浄化して飲めるようにするための上水道の仕組み,使った水をきれいにして環境を汚さないようにする下水道の仕組みを解説する.その過程で,きれいな水の基準と指標について理解をする.

③ 海を理解するための基礎知識
海の成り立ちとはどのようなものか解説をする,また,海の大循環から沿岸域の環境まで解説を行う.

④ 川を理解するための基礎知識
河川に関して,その水質浄化機能や地形との関係,降雨との関係などの科学的側面と管理をするための行政的な側面の両面から解説する.

⑤ 森の基礎知識
森の役割について学び,植物と自然の関係から日本の林業について解説を行う.

⑥ 大気の基礎知識
大気の循環とはどのようなものか?きれいな空気とはどんな空気なのか?

⑦ エネルギーの基礎知識
エネルギーの作り方,発電の仕組み,未来のエネルギー

⑧ 里山と里海の基礎知識
欧米と日本の自然に対する考えの違い,自然とうまく付き合ってきた日本人の歴史について解説する.

⑨ 中間試験
今後の講義の内容が理解できる水準に達しているのかを試験で確認します.

⑩ 里山と里海の成り立ち
欧米と日本の自然に対する考えの違いを解説し,日本人の宗教観に基づく自然観を解説していただく.

⑪ これからのエネルギーの作り方,使い方
トンボ型風車開発の経緯から,今後の日本のエネルギーの考え方を解説していただく.

⑫ 大分の森林環境
大分県における林業の歴史とこれからの林業について解説していただく.

⑬ 水質の汚染と微生物の関係
微生物がどのようにして水をきれいにするのかを解説していただく.

⑭ 土壌物質の科学
土の微生物と土壌の環境浄化能力について解説をしていただく.

⑮ 花粉からわかる地球環境の課題
太古の花粉の化石は,湖の底に眠っています.ここから取り出された花粉を分析することでわかる地球環境の変遷とこれからの地球環境の課題について解説をしていただく.

⑯ 森里海連環と地球環境の課題
森里海連環学の提唱者から,これまで活動とこれからの展開について解説をしていただく.
2回目~8回目
次回の講義内容に関する予習レポートを作成してもらいます.

10回目~16回目
予習レポートに加え,各講師または講義担当者から出題されるレポートを作成します.
授業の運営方法 全て講義形式で実施します.

1~8回目は,里海・里山と地球環境を理解するために必要な基礎的な内容を学習します.
9回目の講義では,1~8回目の内容に関する試験を実施します.
10回目以降は,学内外において,森里海のつながりにかかわるテーマの研究・業務に関わっている方に最新の話題を提供していただく予定です.
備考
学生が達成すべき到達目標 ・C評価の基準
里海・里山の成り立ちを理解し,環境を理解するための基礎的なことを理解している.

・B評価の基準
C評価の基準に加え,森里海に関する最新の動向を理解している.

・A評価の基準
B評価の基準に加え,森里海と地球環境に対して独自の提案ができる.

・S評価の基準
B評価の基準に加え,森里海と地球環境に対して非常に優れた独自の提案ができる.
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 25 9回目の講義のときに,1~8回目の講義の内容に関する試験を実施します.
小テスト
レポート 67
成果発表
作品
その他 自己評価
8
合計 100