NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 モダンデザイン(Modern Design)
担当教員名 近藤 正一
配当学年 2 開講期 前期
必修・選択区分 建築コース (選択)
インテリアデザインコース (選択必修)
環境・地域創生コース (選択)
単位数 2
履修上の注意または履修条件 出席をとる代わりに、略設計やスケッチを要求することがあるので、各自スケッチブック等を用意してください。また、レポート提出に電子メールを活用することがあるので、大学の施設や携帯電話等で使用できるようにしておくことが望ましいです。
受講心得 本講義では、さまざまな建築空間を紹介しますが、日頃から自らの空間体験を「文化の系」の中で考えることができるよう心掛けることをお勧めします。例えば、茶道をたしなむためには、ある程度の作法を身につける必要があるように、建築空間を心から味わうためには、その種の建築にまつわる文化の素養をもっていることが望ましいと思われます。講義内容を単なるモダンデザインの知識として覚えるだけではなく、教養として身につけられるように心がけてください。
教科書 適宜、参考図書を紹介します。
参考文献及び指定図書 毎回授業の内容に関連する優良図書を紹介します。
関連科目 造形、スペースデザイン、建築計画1、設計製図1 など
オフィスアワー 火曜日2時限目
授業の目的 本講義は、モダンデザインを概観するために多くの時間を費やしますが、本当に重要なのは、デザインに関する教養を深め、デザインについて考え、論じることができるようになることです。英語に例えれば、単語や熟語をたくさん覚えることだけに満足しないで、話せるようになってほしいという願いに似ています。したがって、内外のすぐれた建築空間やインテリアエレメントなどを、単にこれらの事例を知識として知り、その形をなぞるのではなく、各自の建築空間体験に照らしつつ、その意味を自身の言葉で思考し直すことが望まれます。
授業の概要 建築やインテリアのデザインを志す者にとって必要となる基本的知識として、主に19世紀から現代に至るまでの西洋を中心としたデザインの歴史を解説します。とりわけ都市・建築・インテリア作品などとデザイン運動および建築家との関係について、できるだけ具体的に説明します。単なる歴史の流れという枠組みにとらわれず、幾人かの建築家の言葉や作品分析を通して、モダンデザインにおける空間デザインの変化を概観するとともに、近年の空間研究における新しい視点について、概説します。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 モダンデザインの潮流
19世紀から現代に至るまでの時代の大まかな流れについて、近代建築を中心に概観します。それらのエポックのうちの多くは、新技術であったり、ある一人の天才の系譜であったり、運動であったりしますが、各論は次回以降に譲ります。

○第2回 モダンデザインの萌芽
時代は本来、区切ることのできるものではありません。小説や映画はかならず始めと終わりがありますが、人生がそこで始まり終わる訳ではないのと同様に、「それ以前」と「それ以後」とは連続しており、「それ」はリボンの一部に過ぎないということを理解するために、近代につながる近代以前のデザインについて技術史を中心に解説します。

○第3回 近代初期の運動
長かったモダンデザイン胎動期を経て、イギリスで始まったアーツ・アンド・クラフツ運動を皮切りに、アール・ヌーヴォやウィーン分離派、ドイツ工作連盟など、多くの新しいデザイン運動が生まれました。彼らの活動を連続的に概観します。

○第4回 近代初期のもうひとつの姿
運動にはつながらなかったものの、近代初期にきら星のごとく輝いた建築家がいます。オーギュスト・ペレ、ヘンドリク・ペトルス・ベルラーヘ、アントニオ・ガウディ、ルイス・サリバンらをとりあげ、その後のモダンデザインに対する影響について解説します。

○第5回 表現主義と構成主義
ドイツ表現派やアムステルダム派など表現主義のデザインとデ・スティルやロシア構成主義など構成主義のデザインとは、一見相容れないかのように思われるかもしれませんが、じつは非常に密接な関連があります。20世紀初期のモダンデザインについて詳説します。

○第6回 バウハウスとCIAM
モダンデザイン、とりわけその後のインダストリアルデザインに対し、決定的な影響力を持つバウハウスと、いわゆる近代建築の考え方が世界中に大きな影響を与える場となったCIAMに関連する建築家、およびその時代背景について、解説します。

○第7回 近代建築の三大巨匠
巨匠と呼ばれる建築家の中でも別格とされるル・コルビュジェ、ミース・ファン・デル・ローエ、フランク・ロイド・ライトについて、作品と理論を概観し、彼らがその後のモダンデザインに及ぼした影響について解説します。

○第8回 日本における近代建築
20世紀以降、いわゆるモダンデザインは、日本においても広く普及しました。日本における近代建築の潮流は、未だ不明確な点が多いのですが、最新の研究成果をもとに日本のモダンデザインを概説します。

○第9回 ブルータリズムとヴァナキュラー
戦後復興期を経て、近代建築は常に変化を続けています。戦後の建築史については、未だ不確定な部分が多いのですが、1940年代から60年代にかけて、時代の変遷とともにデザインも変遷していく様子をみていきます。

○第10回 ポストモダン
とりわけ日本からの影響が色濃く表れることの多いモダンデザインですが、ポストモダン建築はとくに日本に建つものが少なくありません。建築を情報としてとらえる考え方や構造主義、エイジアン・カオスの影響など、できるだけ多方面からアクセスします。

○第11回 デコンストラクションとミニマリズム
コンテンポラリーデザインの源流と思われるデコンストラクション(脱構築)と呼ばれる思想とモダンデザインの現在的解釈と思われるミニマリズム、およびそれらが建築に与えた影響について説明します。

○第12回 インテリアデザインの潮流
これまで解説した内容を踏まえ、こんどはインテリアデザインに的を絞って、様式史、技術史および文化史として読み替えることにより、近代以前(18世紀)から現代(21世紀)にいたるまでの潮流について概説します。

○第13回 インテリアデザインの巨匠
日本におけるインテリアデザインの位置づけについて説明したのち、シャルロット・ペリアンを中心に、インテリアデザインの巨匠とその社会的・時代的役割について解説し、およびインテリアデザイナーという職能の将来について説明します。

○第14回 空間という概念
「空間」という概念に着目することにより、モダンデザインを再解釈します。空間という言葉の様々なとらえ方を示し、たとえば名建築とされる具体的な事例を挙げて、とくに設計等に即効性のあると思われる空間分析の有効性をみていきます。

○第15回 コンテンポラリー・デザイン
本来、モダンとコンテンポラリーはどちらも「現代の」という意味で使われますが、建築分野では近代と現代を区別するため、コンテンポラリーという用語が使われます。これまでの講義を踏まえ、現代のデザインをどう評価し、近未来のデザインがどう変容していくのかを考えます。

○第16回 期末試験
これまでの講義内容を試験範囲とします。試験時間は80分とします。筆記用具以外のすべての持ち込みは不可です。
第1回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第2回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第3回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第4回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第5回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第6回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第7回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第8回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第9回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第10回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第11回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第12回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第13回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第14回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分

第15回
配付資料
演習課題
課題の時間 60分
授業の運営方法 適宜、配付資料、視聴覚資料等を用いて講義を行います。「講義科目」です。
備考
学生が達成すべき到達目標 ① 歴史、技術、風土、時代背景など、モダンデザインに関する基礎知識が身についている。
② モダンデザインの潮流と代表的な建築・建築家との関係を理解している。
③ 代表的な建築・建築家のおもな特徴と社会的・歴史的意味を理解している。
④ 空間に関する代表的な分析方法について理解している。
⑤ 現代デザインについて、モダンデザインを踏まえた論理的考察ができる。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 80 毎回の講義の要点を理解できているかどうかを確認します。
小テスト 実施しません。
レポート 20
成果発表 実施しません。
作品 制作しません。
その他 実施しません。
合計 100