NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 流体力学2(Fluid Dynamics2)
担当教員名 松尾 篤二
配当学年 3 開講期 後期
必修・選択区分 コース選択必修(機械工学コース) 単位数 4
履修上の注意または履修条件 関数電卓を毎回必ず持参してください。電卓の使用方法は各自自習して十分習得しておいてください。
受講心得 前期の流体力学1と同じ教科書を使用します。持っていない学生は必ず購入してください。
教科書 流体力学 金原粲監修 (実教出版)
参考文献及び指定図書 流体の力学 松尾一泰 (理工学社)
わかる水力学 今市憲作・田口達夫・本池洋二 (日新出版)
絵ときでわかる流体工学 安達勝之・ 菅野一仁 (オーム社)
図解もの創りのためのはじめての流体工学 門田和雄, 長谷川大和 (技術評論社)
関連科目 流体力学1
オフィスアワー
授業の目的 風車、水車、ポンプ、送風機、圧縮機などの流体の流動を伴う機械や配管の設計、取扱いには、流体に関する知識が不可欠です。また、自動車、船舶、鉄道車両、航空機などの移動体は、まわりを流れる空気や水からいろいろな力を受けるため、これらの設計や高性能化には同様に流体に関する知識を必要とします。本科目では、流体の性質と流れに伴う諸現象を理解して、流体が関係する機器の設計や諸問題の解決に必要な基礎的な能力を身につけます。
授業の概要 流体の力学的エネルギー保存を表すベルヌーイの定理、力と加速度の関係から得られる運動量理論、流体が管路を流れる場合の圧力損失、物体のまわりの流れの性質など、流体と流れを考える上での基礎的事項を解説し、これらの計算方法を説明します。基礎的知識の習得と応用力を身につけるために、演習問題に学生自らが取り組みます。
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 ベルヌーイの定理
流体のもつ力学的エネルギーは、運動エネルギー、位置エネルギー、圧力エネルギーの三つで表されることを説明し、これらの総和が一定というベルヌーイの定理の式を導きます。また、これらのエネルギーをヘッドで表す方法を説明します。

○第2回 ベルヌーイの定理の応用
狭まり管内の流れや大気中に放出される噴流にベルヌーイの定理を適用して、流れの圧力や流速を求める方法を説明します。

○第3回 問題演習
ベルヌーイの定理に関する演習問題を各自解いてもらいます。解答の解説を行います。

○第4回 ピトー管による流速の測定
流れの静圧と全圧を計測してベルヌーイの定理より流速を求めるピトー管の原理と構造を説明します。

○第5回 オリフィス、ベンチュリ管による流量の測定
管路の途中に挿入したオリフィスと呼ばれる小孔をあけた薄板や、管の一部を細くしたベンチュリ管による流量測定の原理と流量の計算式を説明します。

○第6回 問題演習
ピトー管、オリフィス、ベンチュリ管に関する演習問題を各自解いてもらいます。解答の解説を行います。

○第7回 運動量理論
ニュートンの第二法則を流体に適用することにより得られる運動量理論を説明し、流体に外部から働く力と流体の速度変化の関係を示します。流体が狭まり管に及ぼす力の計算方法を説明します。

○第8回 平板に働く力およびジェット推進
運動量理論を用いて、、流れの中に置かれた平板が受ける力を求める方法を説明します。また、流体をノズルから高速で噴射させて、その反作用による力を利用するジェット推進の原理は、運動量理論にもとづいていることを解説します。

○第9回  曲管および曲板にかかる力
流体が曲管内や曲板に沿って流れる場合、曲管や曲板は流れの方向の変化による力を受けます。運動量理論を応用してその力を求めます。

○第10回  問題演習
運動量理論に関する演習問題を各自解いてもらいます。解答の解説を行います。

○第11回  中間まとめと小テスト
第1回から第10回までの授業内容について要点を説明したのち、小テストを行います。

○第12回  円管内の流れと損失(助走区間)
管路内を実在の流体が流れる場合にはエネルギー損失が生じます。円管の入口からある距離までの区間を助走区間といいます。助走区間の定義とそこでの流れの様子およびエネルギー損失について説明します。

○第13回  層流の管摩擦損失
助走区間後の損失は管摩擦によるものであり、管摩擦係数と速度ヘッドで管摩擦損失を計算するダルシー・ワイスバッハの式を説明します。流体の速度が比較的遅く、レイノルズ数が小さいときは層流という流れの状態になります。層流における管内の流速分布を示し、管摩擦係数を理論的に導きます。

○第14回  乱流の管摩擦損失
流体の速度がある程度以上速く、レイノルズ数が大きいときは乱流という流れの状態になります。乱流における管内の流速分布は指数法則で表されることを示します。管摩擦係数はレイノルズ数と管壁の粗さに関係します。ムーディ線図を用いた管摩擦係数の求め方を説明します。

○第15回  管摩擦損失の計算方法
管内にある流量の水、油、空気などの流体を流すとき、ポンプや送風機に必要な圧力を求めるためには、流れの圧力損失を知る必要があります。流量が与えられた場合に圧力損失を計算する手順を説明し、例題を解説します。

○第16回  問題演習
管摩擦損失に関する演習問題を各自解いてもらいます。解答の解説を行います。

○第17回  管路における各種の損失
管路では、管摩擦以外に、管の入口や流路断面変化、管の曲がり、弁などでも圧力損失を生じます。それらの計算方法を説明します。

○第18回  管路の総損失と管路の設計
入口から出口までの間に、弁、曲がり、急拡大などを含む1本の管路の総圧力損失を求める方法を説明します。

○第19回  問題演習
管路損失に関する演習問題を各自解いてもらいます。解答の解説を行います。

○第20回  中間まとめと小テスト
第12回から第19回までの授業内容について要点を説明したのち、小テストを行います。

○第21回  流れの中に置かれた物体に作用する力
空気中や水中を運動する物体には、その運動を妨げる抗力が作用します。また、空気中を飛行する航空機の翼には重力に逆らって機体を持ち上げる揚力が作用します。このような力が作用する理由と抗力、揚力の計算方法を説明します。

○第22回  問題演習
流れの中に置かれた物体に作用する力に関する演習問題を各自解いてもらいます。解答の解説を行います。

○第23回  抗力
円柱のまわりの流れの様子を解説し、円柱や球、円板、立方体などのさまざまな物体に作用する抗力の実用的な計算方法を説明します。

○第24回  問題演習
抗力に関する演習問題を各自解いてもらいます。解答の解説を行います。

○第25回  揚力
流れに対して傾斜しておかれた平板に揚力が発生するメカニズムを説明し、翼の揚力係数と抗力係数、回転する円柱のまわりの流れの循環により生じる揚力などについて解説します。

○第26回  問題演習
揚力に関する演習問題を各自解いてもらいます。解答の解説を行います。

○第27回  ナビエ・ストークス方程式
粘性を考慮した流体の運動方程式であるナビエ・ストークス方程式を示し、これを平行平板間の流れに適用して、ある初期条件と境界条件のもとに解いたポアズイユ流れとクエッテ流れを説明します。また、物体まわりの流れの境界層の定義と境界書のはく離について解説します。

○第28回  相似則、流体励起振動
自動車や鉄道車両などの移動体のまわりの流れや、それにより生じる抗力を調べるために、縮小模型により実験を行う場合には、実物と模型のレイノルズ数を一致させれば力学的に相似であることを説明します。また、流れによって引き起こされる振動について紹介します。
○第29回  問題演習
粘性流体の流れと相似則に関する演習問題を各自解いてもらいます。解答の解説を行います。

○第30回  総まとめ
身近な流体問題について、これまでの学習内容を応用して考えてもらいます。考え方を受講者全員で議論します。

○第31回  期末試験
第21回~第30回の授業内容について試験を行います。
授業の節目で演習問題の宿題を出します。
授業の運営方法 「講義科目」です。毎回授業内容概要のプリントを配付して講義を行い、例題・演習を解説します。随時、演習問題の宿題提出も課します。
備考
学生が達成すべき到達目標 ①ベルヌーイの定理を理解し、応用できるようになる。
②運動量理論を理解し、応用できるようになる。
③管内の流れの圧力損失を計算できるようになる。
④抗力、揚力を理解し、計算できるようになる。
⑤流体の運動方程式の意味と流れの相似則を理解する。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 25 授業内容を理解できているかを確認します。計算問題は考え方、解答の記入方法、答の数値の単位の有無も評価します。
小テスト 50 授業内容を理解できているかを確認します。計算問題は考え方、解答の記入方法、答の数値の単位の有無も評価します。
レポート 25
成果発表
作品
その他
合計 100