NBU日本文理大学

シラバス情報

注)公開用シラバス情報となります。在学生の方は、「UNIVERSAL PASSPORT」で詳細をご確認下さい。

科目名 高電圧工学(High Voltage Engineering)
担当教員名 川崎 敏之
配当学年 カリキュラムにより異なります。 開講期 後期
必修・選択区分 選択 単位数 2
履修上の注意または履修条件 電気回路,電磁気学の知識を必要とします。
受講心得 電気主任技術者免状の取得関連科目です。
教科書 秋山秀典編著:高電圧パルスパワー工学(オーム社)
参考文献及び指定図書 電気学会:高電圧工学(オーム社)
赤碕正則著:基礎 高電圧工学(昭晃堂)
関連科目 送配電工学,電力応用実験
オフィスアワー
授業の目的  大電力の送配電には高電圧技術が必須であり、また、近年では環境保全技術としても高電圧利用に関するものが多くあります。高電圧現象を取り扱うために必要な知識等は、安全に電気を利用する上で必要になります。本講義では高電圧現象(絶縁破壊、放電など)を理解し、高電圧の発生・測定・応用などを理解することを目標とします。
授業の概要 ・高電圧現象の理解
・高電圧発生法・測定法
・プラズマ基礎
・プラズマ応用
授業計画 学習内容 学習課題(予習・復習)
○第1回 序論
 本講義の内容、目標について説明します。講義の進め方、評価の方法を説明します。

○第2回 静電界の性質
 絶縁設計を行うためには、対象とする機器の電極構造と絶縁物における静電界の性質を調べ、高い電界が集中しないように配慮しなければなりません。本講義では、各種絶縁物の性質、および導体と絶縁物の各種形状配置における電界分布等に関する静電界について説明します。

○第3回 気体の絶縁破壊1
 気体は熱によってランダムな運動をしながら、相互間あるいは容器の壁に衝突を繰り返しており、そのエネルギーが十分に大きいと電離現象が起こります。本講義では、励起、解離、電離等の電離現象の基礎について説明します。

○第4回 気体の絶縁破壊2
 平等電界ギャップの破壊を引き起こす放電には、タウンゼントの理論とストリーマ理論に説明される放電があります。本講義では、それらの理論について説明します。

○第5回 気体の絶縁破壊3
 不平等ギャップでの放電現象は平等ギャップとは異ります。さらに電圧の極性によっても放電の外観、性質は異なります。本講義では、不平等ギャップにおける放電現象について説明します。また、雷等を模擬したインパルス電圧についても説明します。

○第6回 液体の絶縁破壊
 液体中における放電現象は、物理的構造上気体ほど分子の配列がランダムではなく、また固体のように規則的でもないため、現在のところ十分に解明されているとは言えません。本講義では、液体中の不純物の影響、電極状態等の放電現象への影響について説明します。

○第7回 固体の絶縁破壊
 固体絶縁物における絶縁破壊および絶縁耐力は単純ではなく、その絶縁耐力の値も周囲の条件によってかなり影響を受けます。本講義では、固体の絶縁破壊に影響を与える因子について説明します。

○第8回 複合誘電体の絶縁破壊
 電気機器においては一種類の誘電体を単独の状態で使用することは少なく、固体と液体、固体と気体というように組み合わせて使用する場合がほとんどです。本講義では実用上の見地から、単に固体、液体、気体だけではなく、これらの複合体にける絶縁破壊現象を説明します。

○第9回 高電圧の発生
 交流、直流、インパルスによってその発生法は異なります。また各電圧においてもいくつかに分類されます。本講義では、それらの構造や基本回路について説明します。

○第10回 高電圧の測定1
 高電圧測定法の種類はいくつかに分けられます。本講義では、それら測定法の種類について説明します。また、直流高電圧の測定法についても説明します。

○第11回 高電圧の測定2
 インパルス高電圧の波高値および波形を同時に、かつ正確に測定する方法として分圧回路とオシロスコープとによる測定法が挙げられる。本講義では、それらの測定法について説明します。また、大電流、高電圧下における電流の測定についても説明します。

○第12回 高電圧機器
 絶縁機器の代表としてがいしが挙げられます。がいしは高電圧の電気機器ならびに工作物に対する役割は非常に大きい。本講義では、いくつかあるがいしの種類、構造、特性について説明します。

○第13回 過電圧とその保護
 電力系統においては絶縁設計上から過電圧を考慮する必要がある。本講義では、過電圧の性質、保護装置について説明します。

○第14回 高電圧応用
 高電圧の応用としては、コロナ放電によって生じる電荷、放電の特性、放電の化学作用、を利用するものに分けられます。本講義では、具体的な応用例について説明します。

○第15回 総括
 総復習を行います。

○第16回 期末試験
 講義内容の全てを範囲にした期末試験を行います。持ち込みは全て不可です。
毎回課題を出します。
授業の運営方法  講義は教科書中心に進めていきます。基礎的な事項を説明した後、演習問題を行い詳細な説明を加えながら解答します。練習問題を解く時間を多くとります。また、適宜に実際の高電圧現象をお見せします。
備考
学生が達成すべき到達目標 高電圧に対する知識,取扱いに必要な知識を習得することを目的とします。
評価方法 評価の割合 評価の実施方法と注意点
試験 80 持ち込み不可の試験を行い評価します。
小テスト
レポート
成果発表
作品
その他 20 出席状況,課題取り組み状況により評価します。
合計 100